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セキセイインコの耳はどこにある?羽に隠れた耳と音の聞こえ方
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セキセイインコの耳はどこにある?羽に隠れた耳と音の聞こえ方

セキセイインコに話しかけていると、「耳はどこにあるのだろう」と不思議に思うことがあります。顔の横には羽が広がり、人や犬のような耳の形は見当たりません。

セキセイインコにも耳があり、その入口は目の近くの斜め下で羽に覆われています。 張り出した耳介がなくても、音を受け取り、聞き分けるしくみは備わっています。外から見える姿と耳の内部をつなげながら、人の声や周囲の音がどのように届くのかを見ていきましょう。

耳の入口は、目の近くの羽の下にある

セキセイインコの耳は、頭の左右にあります。横顔を見ると、目の近くの斜め下にあたる場所に入口がありますが、普段は周囲の羽と一体になって見えるため、輪郭を探すだけでは見つけにくい部分です。

人の耳で外側に張り出している部分を「耳介(じかい)」と呼びます。セキセイインコには、このような張り出した耳介がありません。外から見えないのは、耳介がなく、耳の入口も羽に隠れているからです。

羽に覆われていても音は届く

耳の周りを覆う羽は「耳羽(じう)」と呼ばれます。鳥の耳の周囲には音を通す羽があり、見た目が覆われていることと、耳の穴がふさがっていることは同じではありません。

その奥には、音が進む短い通路である外耳道と鼓膜があります。耳の羽は、音が入るしくみの一部として捉えると分かりやすいでしょう。位置を確かめるためだけに鳥をつかまえたり、羽を無理にかき分けたりせず、横顔のどのあたりにあるかを知るだけで十分です。

音の振動は、鼓膜から内耳、脳へ伝わる

空気を伝わった音は耳の入口から入り、鼓膜を振動させます。その振動が耳の奥へ伝わり、神経の信号に変わって脳へ届く、というのが基本の流れです。セキセイインコにも、鳥類に共通する外耳・中耳・内耳のしくみがあります。

音が通る場所主な働き
外耳道と鼓膜外から届いた音で鼓膜が振動する
中耳耳小骨が鼓膜の振動を内耳へ伝える
内耳感覚細胞が振動を受け取り、神経の信号につなげる
聴神経と脳音の情報を運び、処理する

中耳では1本の耳小骨が振動を伝える

鳥の中耳にある耳小骨は「耳小柱(じしょうちゅう)」と呼ばれます。骨の部分と軟骨の部分がつながり、鼓膜の動きを内耳へ伝えています。人の中耳には3つの耳小骨がありますが、鳥では1本がこの役割を担います。

骨の数が少ないことだけで、耳の性能が低いとはいえません。音の伝わり方や、その後の情報処理まで含めて、聞こえ方が決まります。

内耳の感覚細胞が音を受け取る

内耳には、聴覚を担う「基底乳頭(きていにゅうとう)」という部分があり、そこに有毛細胞と呼ばれる感覚細胞が並んでいます。音の振動がこの細胞を刺激し、その情報が聴神経を通じて脳へ送られます。

人の内耳には巻き貝のようならせん形の蝸牛がありますが、鳥の聴覚を担う部分は、らせん状には巻かず、緩く曲がっています。外見だけでなく内部の形にも違いがありながら、振動を神経の情報へ変える役割は共通しています。

人と同じ音を、同じように聞いているの?

耳のしくみを知ると、次に気になるのは「どのくらい聞こえるのか」という点です。ここでは、音を感じ取れる高さの範囲と、似た音を聞き分ける力を分けて考えると理解しやすくなります。

聞こえやすさは音の高さによって変わる

2016年に発表された、セキセイインコ3羽を対象にした実験では、調べた純音のうち3 kHz付近で最も小さな音まで聞き取れました。純音は一つの周波数だけからなる音で、3 kHzは1秒間に3,000回振動する音を意味します。

これは「3 kHzの音しか聞こえない」という意味ではありません。聞こえやすさには音の高さによる山があり、そこから離れた高さでは、聞き取るためにより大きな音が必要になります。聞こえる範囲を示す数値も、どのくらいの音の強さで測ったかによって変わります。

また、この実験では、セキセイインコは人より低い音までよく聞こえるわけではありませんでした。ほかの鳥の優れた聴覚を、そのままセキセイインコに当てはめることはできません。

人の声に含まれる細かな違いも聞き分ける

人の声には、声の高さだけでなく、母音を特徴づける響きの違いも含まれています。セキセイインコは、こうした音の特徴を聞き分けることができます。

2017年の実験では、訓練を受けたセキセイインコ4羽と人4人が、人工的に合成した母音の音響的な違いを聞き分ける課題に取り組みました。その条件では、鳥も人と同程度の小さな違いを検出できました。

この結果から分かるのは、声に含まれる音の特徴を細かく捉えられることです。会話の意味を人と同じように理解したかを調べた実験ではありません。声の聞き分け、音のまね、言葉の意味の理解は、それぞれ別の能力として考えると、日々の反応を決めつけずに受け止められます。

羽の下の耳を思い浮かべて、日々の声かけを

セキセイインコの耳は目立ちませんが、羽の下には音を受け取り、脳へ伝えるしくみがあります。人との形の違いだけで聴力を判断したり、呼びかけへの一度の反応だけで理解の程度を決めたりせず、その子とのやりとりを重ねていきましょう。

耳の位置や聞こえやすい周波数を知っても、確かめるために耳元で大きな音を鳴らす必要はありません。いつもの距離から穏やかに話しかけるところからで十分です。ケージの周りの生活音や置き場所を考えたいときは、環境づくりの記事も参考になります。

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