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猫が水をよく飲むとき|飲水量・尿量・受診前に見るポイント
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猫が水をよく飲むとき|飲水量・尿量・受診前に見るポイント

水皿の減りが早い、トイレ砂の固まりが前より大きい。そんな変化に気づくと、「病気なのかな」と不安になることがあります。

猫が水を飲むこと自体は、体に必要な自然な行動です。ただ、以前と比べて飲む量が明らかに増え、尿の量も増えているように見える場合は、体の中で何か変化が起きているサインかもしれません。

この記事では、病名を家庭で決めるのではなく、受診前にどこを見ると状況を伝えやすくなるかを確認します。

猫が水をよく飲むときは、飲水量だけでなく尿量も見る

水をよく飲むように見えるとき、最初に分けて考えたいのは「水皿から飲む量」と「体に入っている水分の量」です。

猫の水分摂取は、水皿から飲む水だけで決まるわけではありません。ウェットフードには水分が多く含まれるため、ウェットフード中心の猫は水皿からあまり飲まなくても、食事から水分をとっていることがあります。反対に、ドライフード中心の場合は、水皿から飲む様子が目立ちやすくなります。

そのため、「水皿が減るようになった」という変化だけでは判断しにくいことがあります。最近フードを変えたか、ウェットフードの割合が変わったか、暑さや暖房で室内環境が変わったかも一緒に見ておくと、受診時に説明しやすくなります。

猫の水分摂取量は、体重1kgあたり1日およそ50mL前後が目安として使われることがあります。ただし、この数字は食事に含まれる水分も含めた考え方として使われる場合があり、水皿から飲んだ量だけを単純に比べるものではありません。

数字は「この量なら安全」「この量を超えたら病気」と判定するためではなく、以前のその猫と比べてどう変わったかを見る補助として役立ちます。

「尿が多い」と「何度もトイレに行く」は分けて考える

水をよく飲むときは、尿の見方も一緒に確認しておきたいところです。ここで混同しやすいのが、「尿の量が多いこと」と「トイレに行く回数が多いこと」です。

尿量が増えている場合は、トイレ砂の固まりが大きくなったり、ペットシーツの濡れる範囲が広くなったりします。1回あたりの尿の量が増えているように見えるなら、多飲と多尿がセットで起きている可能性があります。

一方で、何度もトイレに行くのに少量しか出ない、出そうとしているのに出ない、排尿時に鳴く、血尿があるといった場合は、尿量が多いのではなく、排尿しづらい状態として見る必要があります。猫の下部尿路のトラブルでは、頻繁にトイレへ行くのに少ししか出ないことがあります。

特に、尿がほとんど出ない、強くいきむ、ぐったりしているといった様子がある場合は、飲水量の記録を続けるよりも、早めに動物病院へ連絡する場面です。これは「水をよく飲む」という話とは別の注意点として分けておくと、判断しやすくなります。

尿を見るときに残したいこと

尿については、次のような変化を残しておくと診察時に伝えやすくなります。

  • トイレ砂の固まりが大きくなったか
  • 固まりの数が増えたか
  • 1回量が多いのか、少量を何度もしているのか
  • 尿の色が薄い、赤い、においが強いなどの変化があるか
  • トイレ以外で排尿しているか
  • 排尿時に鳴く、長くしゃがむ、何度も出入りする様子があるか

多飲・多尿を考えるときは、尿の「回数」だけでなく、「1回量」と「出方」を分けて見ることが大切です。

多飲・多尿に関係することがある主な病気

猫の多飲・多尿は、それだけで病名を決められるものではありません。ただし、いくつかの病気で共通して見られることがあるサインです。

主な例としては、次のような病気があります。

  • 慢性腎臓病では、腎臓が尿を濃くする力が落ちることで尿の量が増え、その分を補うように水を飲む量が増えることがあります。特にシニア猫では、年齢による変化と見分けにくいため、「年だから仕方ない」と片づけず、尿量や体重の変化も合わせて見る必要があります。
  • 糖尿病でも、多飲・多尿が見られることがあります。食欲があるのに体重が減る、尿の量が増える、トイレ砂の固まりが大きくなる、といった変化が一緒に出ることがあります。
  • 甲状腺機能亢進症では、体重が減る、食欲が増える、活動的になる、嘔吐や下痢が見られるといった変化とともに、多飲・多尿が見られることがあります。こちらも、家庭で見ただけでは他の病気と区別できません。
  • 腎盂腎炎のような腎臓に関わる感染症でも、多飲・多尿が関係することがあります。発熱、食欲低下、嘔吐、痛み、元気の低下などが重なる場合は、飲水量だけの問題として扱わない方がよいでしょう。

ここで挙げた病名は、あくまで「多飲・多尿の背景にありうるもの」です。診断には、血液検査、尿検査、血圧測定、画像検査などを組み合わせて確認することがあります。家庭でできるのは、病名を絞ることではなく、変化を具体的に伝えられる形にしておくことです。

受診前に残しておきたい記録

受診前の記録は、正確な診断を家庭で行うためではありません。いつから、どのくらい、何が変わったのかを伝えるための材料です。

飲水量は、可能であれば24時間単位で見ます。朝に入れた水の量を記録し、翌朝に残った量を確認すると、おおよその飲水量が分かります。2〜3日ほど続けると、たまたま多かった日なのか、増えた状態が続いているのかを比べやすくなります。

ただし、複数の水皿がある場合や、自動給水器を使っている場合、多頭飼いの場合は、1匹ごとの正確な量を測るのが難しくなります。その場合は、無理に細かな数字を出すよりも、「水皿は3か所」「給水器を使用」「他の猫と共有」「以前より補充回数が増えた」など、環境ごと記録しておく方が役立ちます。

尿については、量を正確に測るよりも、トイレの変化を残す方が現実的です。砂の固まりの大きさ、1日の回数、シーツの濡れ方、尿の色、血尿の有無、トイレでの様子をメモしておくと、診察時に状況を共有しやすくなります。

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数字で残すものと、メモで残すもの

数字で残しやすいものは、飲水量、排尿回数、体重です。飲水量は24時間単位、排尿回数は1日単位、体重は同じ条件で測ると比べやすくなります。

メモで残したいものは、尿の色、砂の固まりの大きさ、排尿時の様子、食欲、元気、嘔吐や下痢、フード変更の有無です。写真で残せる場合は、トイレ砂の固まりやシーツの濡れ方を撮っておくと、言葉だけでは説明しにくい変化を伝えやすくなります。

多頭飼いでは、どの猫の尿か分かりにくいことがあります。その場合も、「共有トイレなので個体は不明」「この猫だけ隔離して確認した日はこの量だった」など、分かる範囲を分けておくと十分に参考になります。

早めに動物病院へ相談したいサイン

水を飲む量が増えたように見えるときは、ほかの変化があるかを重ねて見ます。飲水量の増加に加えて、尿量が明らかに増えている、体重が減っている、食欲が変わった、元気がない、嘔吐や下痢があるといった場合は、記録を持って動物病院に相談しやすいタイミングです。

シニア猫では、飲水量や尿量の変化が慢性腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの入り口になることがあります。元気そうに見えても、体重が少しずつ減っている、砂の固まりが大きくなっている、といった変化が続くなら、年齢だけで説明しきれない可能性があります。

一方で、記録を待たずに相談したい変化もあります。

  • 何度もトイレに行くのに、尿が少ししか出ない
  • 尿が出ていないように見える
  • 強くいきむ
  • 血尿がある
  • ぐったりしている
  • 食べない
  • 嘔吐がある

特に尿が出にくい状態は、多飲・多尿とは別の緊急性を持つことがあります。「水を飲んでいるから大丈夫」と考えず、排尿の様子がいつもと違うときは早めに連絡してください。

まとめ

猫が水をよく飲むように感じたときは、飲水量だけで判断せず、尿量や排尿の様子、体重、食欲、元気の変化を合わせて見ます。

水皿の減りは、フードの種類や水皿の数、多頭飼い、給水器の有無でも変わります。正確な数字が出せない場合でも、「いつから」「何が」「どのくらい変わったか」を残しておくと、診察時の手がかりになります。

多飲・多尿が続く場合は、慢性腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症などが関係することがあります。ただし、家庭で病名を決める必要はありません。記録は、診断の代わりではなく、獣医師に状況を伝えるための橋渡しになります。

尿が出ない、少量しか出ない、血尿がある、ぐったりしているといった変化がある場合は、数日分の記録を待たずに相談する場面です。飲水量を見るときほど、尿の「量」と「出方」を分けて考えることが、受診判断につながります。

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