ぺとふる
猫のおしっこが出ないとき|尿閉の不安とすぐ受診したいサイン
マガジン一覧に戻る

猫のおしっこが出ないとき|尿閉の不安とすぐ受診したいサイン

本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。

猫が何度もトイレに行くのに、おしっこの塊が見当たらない。いつもより尿の量が少ない。しゃがんでいる時間が長いのに、出ているのか分からない。

こうした変化に気づくと、「少し待ってよいのか」「今すぐ病院へ行くべきなのか」で迷いやすくなります。

猫のおしっこの異変では、家庭で病名を見分けることよりも、「尿が出ていない可能性があるか」を早めに考えることが重要です。特に尿道が詰まって尿を外へ出せない状態は、時間とともに全身へ影響が及ぶことがあります。

この記事では、猫のおしっこが出ない・少ないと感じたときに、どのようなサインを見て、どの段階で動物病院へ相談・受診するかを整理します。

猫のおしっこが出ない・少ないときに見られやすいサイン

猫の排尿トラブルは、「まったく出ていない」とはっきり分かる場合ばかりではありません。飼い主が最初に気づきやすいのは、トイレの回数や姿勢、猫の落ち着き方の変化です。

いつもよりトイレに行く回数が増えた、トイレの中で長くしゃがむ、出入りを繰り返す、といった様子が見られることがあります。

トイレに何度も行くのに尿が見当たらない

トイレに行っていることと、尿が出ていることは同じではありません。

尿が出にくい猫は、何度もトイレに入り、排尿姿勢をとることがあります。そのため、「トイレには行っているから大丈夫」と判断すると、実際には十分に尿が出ていない状態を見落とすことがあります。

猫砂を使っている場合は、尿の塊の大きさや数が手がかりになります。普段より塊が小さい、数が少ない、まったく見当たらない場合は、回数だけでなく「出た量」に目を向けたい場面です。

尿の色や量を確認しやすい猫砂やトイレ用品は、普段との違いに気づく補助になることがあります。

常陸化工 FineCat 固まる紙製猫砂

常陸化工 FineCat 固まる紙製猫砂

  • おしっこがかかると色がブルーに変わって分かりやすい
  • 主成分が紙製品なので、使用後は燃えるゴミとして処分可能
  • 水洗トイレに流せる

尿の塊が小さい、血が混じる、鳴くなどの変化

尿の量が少ないだけでなく、血が混じる、排尿時に鳴く、痛そうに見える、陰部をしきりになめるといった変化も、下部尿路のトラブルで見られることがあります。

ただし、これらのサインだけで原因を決めることはできません。膀胱炎、結石、猫下部尿路疾患、尿道の閉塞など、複数の状態で似たようなサインが出るためです。

「血尿があるから膀胱炎だろう」「鳴いているから痛みだけだろう」と家庭で判断するより、尿が十分に出ているか、全身の様子に変化があるかを合わせて見る必要があります。

元気・食欲の低下や嘔吐がある場合

おしっこの異変に加えて、食欲が落ちている、吐いている、ぐったりしている、隠れて出てこないといった変化がある場合は、緊急性が高くなります。

尿が出ない状態が続くと、膀胱だけでなく、腎臓や体内の電解質バランスにも影響が及ぶことがあります。見た目の元気が少し残っていても、排尿できていない可能性があるときは、時間を置いて判断しにくい状態です。

尿閉はなぜ早めの受診が必要なのか

尿閉は、尿を外へ出せない状態です。猫で特に問題になるのは、尿道が詰まり、膀胱にたまった尿を排出できなくなる尿道閉塞です。

尿道閉塞は、猫の泌尿器トラブルの中でも緊急性が高く、救急対応が必要になる状態です。

尿が外に出せない状態で起こること

尿は、体内の老廃物や余分な水分を外へ出す役割を持っています。尿が出せない状態が続くと、膀胱が強く張るだけでなく、腎臓への負担や尿毒症、高カリウム血症などにつながることがあります。

高カリウム血症は、心臓のリズムにも影響することがあるため、単なる「トイレの問題」として軽く扱えません。おしっこの出口で起きている問題が、全身状態の悪化につながることがあります。

オス猫で特に注意したい理由

下部尿路の症状は、オス猫にもメス猫にも起こります。一方で、尿道閉塞はオス猫で特に多い傾向があります。

その理由として、オス猫の尿道がメス猫より細く長いことが挙げられます。尿道が細いと、結晶や炎症でできた栓のようなもの、結石などで詰まりやすくなります。

メス猫なら心配しなくてよい、という意味ではありません。ただ、オス猫が何度もトイレに行くのに尿が出ない、少量しか出ていない、苦しそうにしている場合は、尿道閉塞をより強く疑って動く必要があります。

時間が経つほど重くなりうる

尿道閉塞が深刻化するまでの時間については、説明に幅があります。完全閉塞では24〜48時間未満で命に関わることがあるとする説明もあれば、2〜3日、72時間以内、3〜6日といった表現もあります。

ここで大切なのは、「何時間以内なら安全」という線引きではありません。尿が出ない状態は時間とともに悪化しうるため、待って確認するより早めに受診につなげる状態だと考えます。

「少し出ているから大丈夫」とは言い切れない

猫のおしっこの異変で迷いやすいのは、完全に出ていないようには見えない場面です。

少しだけ尿の塊がある。血尿は見えない。まだ歩いているし、少し食べている。

こうした様子があると、すぐ受診するほどではないように感じることがあります。けれど、尿閉や下部尿路のトラブルでは、見た目だけで安全とは判断しにくい場面があります。

少量尿でも閉塞を否定できない

尿道が閉塞している猫でも、少量の尿が出ることがあります。そのため、「少し出ているから尿閉ではない」とは言い切れません。特に、トイレへ何度も行く、排尿姿勢を繰り返す、尿の量が普段より明らかに少ない、痛そうにする、といったサインが重なっている場合は注意が必要です。

家庭で見るべきなのは、「ゼロかどうか」だけではありません。普段と比べて十分に出ているか、出そうとしているのに出ていない様子があるかを合わせて考える必要があります。

血尿がない場合でも安心材料にはしきれない

血尿は、下部尿路のトラブルで見られる代表的なサインです。ただし、血が見えないから緊急性が低いとは限りません。

尿道閉塞で問題になるのは、尿が外へ出せているかどうかです。血尿の有無だけでは、尿道が詰まっていないことの確認にはなりません。

尿の色がいつも通りに見えても、尿量が少ない、排尿姿勢を繰り返す、オス猫で苦しそうにしている、食欲や元気が落ちている場合は、血尿がないことだけで判断しない方が安全です。

便秘や粗相、スプレー行動と紛らわしいことがある

尿が出にくいときの姿勢は、便秘のときのいきみに似て見えることがあります。

トイレで長くしゃがむ、何度も力む、出たものが少ない。こうした様子だけを見ると、「便が出ないのかな」と感じるかもしれません。

また、トイレ以外で少量の尿をする場合、粗相やスプレー行動のように見えることもあります。ただ、下部尿路の不快感や痛みがあると、トイレ以外で排尿することもあります。

行動の問題と決めつける前に、尿の量、回数、痛そうな様子、血尿、食欲や元気の変化を合わせて確認したいところです。

すぐ相談・受診したいサイン

猫のおしっこの異変では、「緊急」「当日中に相談」「経過だけでは判断しにくい」を分けて考えると、動きやすくなります。

ただし、この分類は家庭で診断するためのものではありません。迷う状態があるときに、受診を先延ばしにしないための整理です。

早急な受診を考えたい状態

尿がまったく出ていない、または出ているか確認できない状態で、トイレに何度も行く場合は、早急な受診を考えたい場面です。

特に、オス猫で排尿姿勢を繰り返す、少量しか出ない、鳴く、落ち着かない、陰部をしきりになめるといった様子がある場合は、尿道閉塞の可能性を考えて動物病院へ連絡してください。

嘔吐、食欲低下、ぐったりしている、立ち上がりにくい、お腹を触られるのを嫌がるといった全身の変化がある場合も、救急受診を含めて考えたい状態です。

当日中に相談したい状態

尿は出ているように見えても、回数が明らかに増えている、尿の塊が小さい、血尿がある、排尿時に鳴く、陰部を気にする場合は、当日中の相談・受診を検討したい状態です。

これらは尿閉だけに限らず、膀胱炎、結石、猫下部尿路疾患などでも見られます。原因が何であっても、痛みや不快感がある可能性があり、検査をしないと区別しにくいサインです。

東京大学附属動物医療センターの腎泌尿器科でも、血尿、頻尿、排尿困難、乏尿・無尿、陰部を過度になめる、排尿時の疼痛行動、元気消失、食欲不振、嘔吐などが受診対象の症状として挙げられています。詳しくは、東京大学附属動物医療センターの腎泌尿器科ページも参考になります。

多頭飼育で尿の確認が難しいとき

多頭飼育では、トイレに尿の塊があっても、どの猫のものか分からないことがあります。

「誰かはしている」だけでは、気になる猫が排尿できている確認にはなりません。対象の猫がトイレに入っているのに尿が出ていないように見える、尿量が分からないまま時間が過ぎている、体調の変化もある場合は、排尿状況が不明なこと自体を受診相談の材料にしてよい場面です。

可能であれば、短時間だけ部屋を分けてトイレの様子を確認する方法もあります。ただし、分けることで強いストレスがかかる場合や、すでに苦しそうな様子がある場合は、確認を優先して受診が遅れないようにします。

受診前に確認しておくとよいこと

受診前の情報は、診察で状況を伝える助けになります。ただし、確認のために長く待つ必要はありません。尿が出ていない可能性があるときは、動物病院へ連絡しながら、分かる範囲で情報をまとめます。

最後に尿を確認した時刻

最後に確実に尿を見た時刻は、重要な情報になります。

「朝のトイレ掃除では塊があった」「昼から何度もトイレに行くが出ていない」「昨日の夜から確認できていない」など、おおよその時間で構いません。

尿道閉塞は時間とともに悪化しうるため、いつから出ていない可能性があるのかは、病院側が緊急度を判断する材料になります。

尿の量・色・トイレ回数

尿の量は、普段との比較で伝えると分かりやすくなります。

「いつもの半分くらいの塊が何度もある」「小さい塊が少しだけ」「塊が見当たらない」など、見たままを言葉にします。血が混じっている、ピンク色に見える、濁っているといった色の変化も記録しておきます。

トイレに入った回数や、出入りを繰り返した時間帯も役立ちます。動画が撮れる場合は、排尿姿勢や鳴き方を短く残しておくと、診察時に伝えやすくなります。

食欲、元気、嘔吐、痛がる様子

おしっこの変化だけでなく、全身の様子も伝えます。

食べているか、水を飲んでいるか、吐いたか、いつもより動かないか、隠れているか、お腹を触られるのを嫌がるか。こうした情報は、尿の問題がどの程度全身に影響しているかを考える手がかりになります。

特に嘔吐、食欲低下、ぐったりしている様子がある場合は、電話の時点でそのまま伝えてください。

可能なら動画やメモで残す

排尿姿勢、鳴き声、トイレに入ってから出るまでの様子は、言葉だけでは伝えにくいことがあります。

無理に撮影する必要はありませんが、短い動画やメモがあると、病院で状況を説明しやすくなります。多頭飼育では、どの猫がいつトイレに入ったかを簡単に書き残すだけでも助けになります。

夜間・休日に気づいたときの考え方

夜間や休日に猫のおしっこの異変に気づくと、「朝まで待つか」で迷いやすくなります。

尿が出ていない可能性がある、何度もトイレに行くのに出ない、オス猫で苦しそうにしている、嘔吐や食欲低下がある。こうした場合は、翌朝まで待つ前に、夜間救急やかかりつけの緊急連絡先へ相談する判断が必要です。

朝まで待つか迷うときは電話相談を優先する

夜間救急を受診するか迷うときは、電話で状況を伝えます。

伝える内容は、最後に尿を確認した時刻、尿が出ているか分からないこと、トイレに行く回数、オスかメスか、食欲や嘔吐の有無、ぐったりしているかどうかです。

電話口で「今すぐ来院してください」と案内されることもあれば、受診の順番や持ち物を確認されることもあります。自己判断で朝まで待つより、病院側に状況を共有して判断を仰ぐ方が安全です。

地域の夜間救急やかかりつけの案内を確認しておく

夜間・休日診療は、全国共通の単一窓口があるというより、地域の獣医師会、大学附属病院、夜間救急病院ごとの案内が中心です。

たとえば東京都では、東京都獣医師会の夜間診療案内で常設の夜間診療対応病院が紹介されています。地域によって体制は異なるため、普段からかかりつけ医の時間外対応や、近隣の夜間救急の連絡先を確認しておくと、いざというときに動きやすくなります。

受診先に伝える情報をまとめる

夜間や休日の受診では、短い時間で状況を伝える必要があります。

「オス猫です。夕方から何度もトイレに行きますが、尿の塊がありません。さきほど吐きました」「メス猫です。尿は少し出ていますが、血が混じり、何度もトイレに入ります」「多頭飼育で、気になる猫の尿が確認できません。排尿姿勢を繰り返しています」

このように、性別、いつから、どのくらい出ているか、全身症状があるかをまとめると、緊急度が伝わりやすくなります。

通院に備えてキャリーをすぐ使える場所に置いておくことも、急な受診時の負担を減らします。

N&S ペットキャリー キャリーバッグ ハードキャリー

N&S ペットキャリー キャリーバッグ ハードキャリー

  • 上部にもドアが付いており、ペットの出し入れが簡単
  • 硬質プラスチック製で耐久性抜群、ペットをしっかり保護
  • 国際航空輸送協会(IATA)基準に準拠した設計で、飛行機や新幹線、車での移動にも対応

まとめ:病名を決めるより、「出ていないかも」を早めに相談する

猫のおしっこが出ない・少ないと感じたとき、家庭で尿閉かどうかを見分けようとすると判断が遅れやすくなります。

見たいのは、病名ではなく、尿が十分に出ているかどうかです。何度もトイレに行くのに尿が見当たらない、少量しか出ない、排尿姿勢を繰り返す、オス猫で苦しそうにしている、嘔吐や食欲低下がある。こうしたサインがあれば、尿道閉塞を含む緊急性のある状態を考えて、早めに動物病院へ連絡してください。

少し出ているように見えること、血尿がないこと、まだ動けていることは、安心材料として十分ではありません。迷うときほど、「今どのくらい出ているか」「最後に確認できたのはいつか」「全身の様子はどうか」を短く整理し、病院に伝えることが次の行動につながります。

尿の異変は、気づいた時点で不安になりやすいものです。その不安をひとりで抱えて判断しきろうとせず、早めに相談することが、猫の状態を確認する一番確実な入口になります。

あわせて読みたい

  • 猫がトイレの回数が増えたとき|様子見してよいかの見極め方
    健康 ねこ

    猫がトイレの回数が増えたとき|様子見してよいかの見極め方

  • 猫のトイレ問題ガイド|失敗・臭い・砂・置き場所をどう切り分けるか
    暮らし ねこ

    猫のトイレ問題ガイド|失敗・臭い・砂・置き場所をどう切り分けるか

  • 猫が元気がない|受診を考えるサイン
    健康 ねこ

    猫が元気がない|受診を考えるサイン

ぺとふるアプリの利用イメージ
ぺとふるロゴ

家族や恋人とペットの思い出を簡単に共有・管理できるペットアルバムアプリ