餌の時間になると、すぐに器へ向かうデグー。その毎日の食事に、自分で探して見つける時間を少し加えるのがフォージングです。特別なおやつや複雑なおもちゃを用意しなくても、普段の牧草やペレットの置き方から始められます。
大切なのは、必要な食事を確保したうえで、無理なく見つけて食べられる工夫にすることです。初めは見える場所に少量を分け、食べ方と同居個体の様子を確かめながら調整していきましょう。
牧草はいつでも食べられるようにしておく
デグーの食事の土台は牧草です。フォージングを取り入れるときも、いつもの牧草置き場を残し、好きなときに食べられる状態を保ちます。水も普段どおり飲めるようにし、餌を探すために我慢させることはしません。
ペレットは、普段の1日分を量ってから、その一部を探す遊びに回すと、与えすぎを防ぎやすくなります。探せたご褒美として別の餌を足し続けるのではなく、器で与える分と探して食べる分を合わせて管理しましょう。療養中や食事量に指示がある場合は、獣医師と相談して取り入れます。
新しいおやつを増やす必要はない
デグーの食事は、糖分や脂肪の多い食べ物を控えて整えます。興味を引こうとしてドライフルーツや甘いおやつを隠すより、まずは食べ慣れたペレットを使いましょう。餌の種類を変えずに始めると、置き方への反応を見やすくなります。
食事全体の組み立ては、牧草・ペレット・おやつの役割と合わせて考えてみてください。
最初は「見える場所に少し分ける」から
ペレットをケージ内に分けて置く方法は、餌を探す行動を引き出す工夫の一つです。初めは、飼い主が見守れて、食べ残しも確かめやすい範囲に置いてみましょう。
次の表は、取り入れ方の一例です。すべての段階を進める必要はなく、その個体が落ち着いて食べられる置き方を選びます。
| 段階 | 置き方の例 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 見つけやすく分ける | いつもの器の近くに、浅く安定した容器を置き、少量のペレットを見える状態で分ける | 自分で近づき、粒を見つけて食べるか |
| 牧草の上で探す | 別の浅い容器に牧草を薄く敷き、表面にペレットを置く | 牧草の間にある粒も拾って食べるか |
| 少しよけて探す | 同じ場所で、一部の粒に牧草をふんわりかける | 自分で牧草をよけ、餌にたどり着けるか |
床全体に散らすと残量が分かりにくいため、導入時は容器の中に範囲を絞ると確認しやすくなります。足元が安定した低い場所を選び、トイレとして汚れやすい場所や給水器の水が落ちる場所は避けましょう。
難しくするときは一度に一つだけ変える
今の置き方で食べられていることが分かったら、置く場所を少し離す、覆う牧草を少し増やすなど、変える条件を一つに絞ります。場所と隠し方を同時に変えると、どこでつまずいたのか分かりにくくなります。
餌の前まで来ても取れない、容器を避ける、いつもの食事が進まないときは、覆いを減らすか、見える置き方へ戻します。食べられるまで待って空腹で挑戦させず、探せなかった分は食べやすい器へ戻しましょう。
紙箱や筒は、食べ方を見てから加える
段ボールの箱や筒も、デグーの遊びに使われるものです。ただし、初めから餌を箱に密閉したり、筒の両端を固く閉じたりせず、開いた浅い箱など、中身を確認しやすい形から試します。
使う場合は、テープやホチキスの針がなく、体や頭が引っかかる狭い隙間を作らないものを選びます。見守れるときに試し、箱や筒が破損したり、素材を飲み込む様子が見られたりしたら取り除いてください。難しい仕掛けを増やすより、安心して取り出せる形を保つことを優先します。
餌がなくなっただけでは、食べた量は分からない
デグーは餌を隠して貯めることがあります。容器から粒がなくなっても、その場で食べたのか、運んだのか、床材に落ちたのかは別に確かめる必要があります。
まずは置いた場所と量を把握し、片づけるときに残った餌や隠した餌を確認しましょう。与えた量から回収量を引いた数字も、散らばった分や見つからない分を含むため、そのまま摂取量にはできません。
食べる姿・牧草・便・体重を合わせて見る
探す姿だけでなく、見つけたあとに食べているかまで見守ります。ペレットを運ぶ姿が活発でも、牧草を食べる様子や便が普段と変わっていれば、食事が順調とは判断できません。
- 食べ方:見つけた餌を食べているか。口にしても落とす、食べにくそうにする様子がないか
- 牧草:普段の置き場でも食べているか。遊びに使った分だけで済ませていないか
- 便と元気:便の量・大きさや動き方に、いつもと違う変化がないか
- 体重:個体ごとに、同じはかりと似た条件で量り、これまでの記録と比べて減っていないか
食べ方や排泄が変わった場合は、難易度を戻すだけで様子を見続けず、デグーを診られる動物病院へ相談します。食べない・飲まない、便が出ない、ぐったりしている場合は、早急に連絡してください。
隠した餌と容器も日々点検する
遊びに使った容器や周囲は毎日確認し、尿で汚れた餌や湿った牧草を取り除きます。隠した餌も定期的に点検し、カビが生えたものを残さないようにしましょう。紙箱が濡れたり傷んだりした場合も交換します。
初めのうちは、片づけやすい場所に少しだけ置く形で十分です。どこへ運んだか分からなくなったら、次は設置範囲を狭めて、確認しやすい形に戻せます。
同居しているなら、一匹ずつ食べられるか確かめる
複数で暮らすデグーには、それぞれが餌や水、隠れ場所を使える環境が必要です。一つの箱だけに餌を集めず、離れた場所にも同じように取りやすい餌場を作りましょう。
たとえば、二匹なら容器を横に並べるだけでなく、ケージの別の場所にも分けて置く方法があります。一匹が両方を行き来して独占するなら、さらに配置を見直します。容器の数だけで判断せず、それぞれが落ち着いて食べられるかを見てください。
追い払われる個体がいたら、遊び方を戻す
片方が近づくたびに追われる、餌をくわえる前に奪われる、相手が離れたあとにしか出てこない。こうした様子があれば、全体の餌が減っていても、その個体の食事が足りているとは限りません。
取り合いの起きる仕掛けはいったん外し、各個体が利用できる食べやすい餌場へ戻します。見守れる時間に一匹ずつ食べる姿を確かめ、体重の記録も個体別に付けましょう。噛み合いやけががある場合は安全を確保し、獣医師へ相談します。
同居の考え方や相性の確認は、食事の工夫だけで解決しようとせず、暮らし全体と合わせて見直すことが大切です。
まとめ:探す楽しさと、食べられる安心を両立させる
デグーのフォージングは、いつもの牧草をいつでも食べられるようにしたうえで、普段のペレットの一部を見つけやすい場所に分けるところから始められます。難易度を上げる目安は、日数ではなく、落ち着いて見つけて食べられているかです。
餌の残りや貯めた分、牧草の食べ方、便、体重を合わせて確認し、複数飼育では一匹ずつ食べる姿を見守りましょう。食べにくさや取り合いがあれば、簡単な配置に戻す。それも、無理なく続けるための大切な調整です。






