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デグーが鳴く理由|声の違いとストレスサインの読み方
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デグーが鳴く理由|声の違いとストレスサインの読み方

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デグーと暮らしていると、「今の声は何だったんだろう」と気になることがあります。

短く鳴いたり、高い声を出したり、続けて鳴いたり。聞き慣れない声が続くと、うれしいのか、怒っているのか、どこか具合が悪いのか、不安になることもあるかもしれません。

デグーの鳴き声には、たしかに場面ごとの意味の傾向があります。ただし、声だけを取り出して「これは喜び」「これは怒り」と決めるのは、少し急ぎすぎた見方です。

同じように聞こえる声でも、近くにいる相手、直前の出来事、体の動き、食欲や体重の変化によって読み取り方は変わります。大切なのは、鳴き声を「答え」として見ることではなく、日常の様子を知るための手がかりとして受け取ることです。

デグーは、鳴き声でやりとりする社会的な動物

鳴くこと自体は異常とは限らない

デグーは、社会的な関わりの中で発声をよく使う動物として知られています。

飼育下のデグーの音声3,535音を解析し、15種類の発声カテゴリに整理した研究があります。デグーの声は単なる偶然の音ではなく、相手との距離、警戒、接触、対立、子育てなど、さまざまな場面と結びついていると考えられます。

そのため、デグーが鳴くこと自体を、すぐに異常やストレスと考える必要はありません。よく鳴く個体もいれば、控えめな個体もいます。多頭で暮らしている場合は、相手への呼びかけや距離の調整として声が出ることもあります。

まずは、「鳴いたかどうか」よりも、「どんな場面で、どんな行動と一緒に鳴いているか」を見ることが出発点になります。

発声には複数のカテゴリがある

デグーの鳴き声には、接触時の細かな声(chitter)、警戒に近い声(wheep)、鋭く強い不快を示す声(squeal)、甘え声や低いうなり声など、複数のカテゴリがあります。

たとえば、接触時の細かな声は、鼻先を近づける、毛づくろいをする、といった社会的な接触の場面と結びつきます。警戒に近い声は、ほかの個体が逃げる、隠れる、固まるといった反応につながることがあり、鋭い声は痛みや強い不快が疑われる場面で見られます。

一方で、家庭で聞く「高い声」「短い声」「連続した声」が、どのカテゴリに当たるかを正確に聞き分けるのは簡単ではありません。専門的な分類では音の波形や行動文脈を合わせて見ますが、日常の飼育環境では音だけを頼りに判断しがちです。

そのため、声の名前を覚えることよりも、「その声が出たとき、デグーは近づいていたのか、逃げていたのか、固まっていたのか」を見る方が、暮らしの中では役立ちます。

人に聞こえる声だけがすべてではない

デグーの発声には、人に聞こえる範囲だけでは捉えきれない部分もあります。

子どものデグーが出す大きな笛のような声では、2.8〜61.6 kHz まで達しうる音が報告されています。これは、人が普段聞き取る音だけが、デグー同士のやりとりのすべてではないことを示しています。

もちろん、家庭で暮らす成体のデグーを観察するときに、超音波まで意識する必要はありません。ただ、「聞こえた声だけですべてを判断できるわけではない」と知っておくと、鳴き声を過度に単純化せずに済みます。

鳴き声は「種類」より「場面」と一緒に見る

近づく・毛づくろいする声

デグー同士が近づき、鼻先を寄せたり、毛づくろいをしたりしながら短く声を出している場合、それは社会的な接触の一部として見られることがあります。

こうした場面では、声だけでなく、体の向きや距離感も穏やかです。相手に近づいても逃げない、互いに体を寄せている、毛づくろいが一方的すぎない、といった様子があれば、落ち着いた関わりの中で出ている声と考えやすくなります。

ただし、「この声を出すからなついている」と決めつけるのは避けたいところです。同じように聞こえる声でも、相手が見えているのに距離がある場面や、関係を調整している場面で出ることもあります。

声の印象がやさしく聞こえても、片方だけが追われている、逃げ場に入ったまま出てこない、食べ物の近くで緊張が続いているなら、別の見方が必要になります。

警戒や距離を取りたいときの声

大きめで鋭い声や、急に響くような声が出たときは、周囲への警戒や距離を取りたい反応が関係していることがあります。

たとえば、部屋に大きな音がした、急に人が近づいた、ケージの掃除やレイアウト変更があった、同居個体が近づきすぎた、といった場面です。このとき、デグーが耳を伏せる、体を低くする、逃げる、隠れる、固まるといった行動を見せるなら、声だけでなく全体として緊張している可能性があります。

警戒の声は、飼い主にとって少し不安に聞こえることがあります。ただ、危険を知らせたり距離を取ったりする反応そのものは、動物として自然な面もあります。

気をつけたいのは、その状態が繰り返されているか、生活環境の中に緊張のきっかけが残っていないかです。特定の音、時間帯、掃除の方法、同居個体との距離などを見直すと、鳴き声の背景が見えやすくなります。

痛みや強い不快が疑われる声

鋭い悲鳴のような声や、触れられた直後・噛まれた直後に出る声は、痛みや強い不快の可能性を考えたい場面です。

鋭い声は、痛みや苦痛と関連づけられることがあります。ただし、これも「この声なら病気」と決められるものではありません。重要なのは、声が出た直後の行動です。

体を引く、急に動かなくなる、特定の足をかばう、同じ場所を気にする、相手のデグーから逃げ続ける、触ろうとすると強く嫌がる。こうした反応があるなら、鳴き声は不快や痛みを示す手がかりのひとつになります。

とくに、多頭飼育で追い回しや噛みつきが起きている場合は、「よくある小競り合い」と流さず、傷や食欲、体重、隠れる時間の変化も合わせて確認したいところです。

家庭では細かい聞き分けを目標にしすぎない

デグーの鳴き声を調べると、細かな名前や意味の説明に出会うことがあります。知ること自体は役立ちますが、家庭でそれをすべて正確に聞き分けようとすると、かえって迷いや不安が増えるかもしれません。

発声には個体差や場面差があります。同じデグーでも、相手が親しい個体か、見知らぬ個体か、離れていたあとに再会したのかによって、声や行動の組み合わせは変わります。

日常では、声の細分類よりも次のような大きな見方が役立ちます。

「近づきながら鳴いているのか」 「離れたがっているのか」 「隠れる・固まるなどの緊張があるのか」 「食欲や活動量に変化があるのか」

このくらいの粒度で見ていく方が、鳴き声を暮らしの観察につなげやすくなります。

鳴き声と一緒に観察したい行動

近づいているのか、逃げているのか

鳴き声を聞いたとき、まず見たいのはデグーの動きです。

相手に向かってゆっくり近づいているのか。鼻先を寄せているのか。毛づくろいをしているのか。それとも、相手から離れようとしているのか。隠れ家に入って出てこないのか。

同じような短い声でも、近づきながら出ている声と、逃げながら出ている声では受け取り方が変わります。声の高さや長さだけで判断するより、体がどちらへ動いているかを見る方が分かりやすいことがあります。

デグー同士の場合は、片方だけが一方的に追われていないかも大切です。両方が接近と離れる動きを繰り返しているのか、片方だけが逃げ場に追い込まれているのかで、見直すべき度合いは変わります。

固まる・隠れる・耳を伏せるなどの反応

警戒や緊張があるときは、鳴き声と一緒に体の反応が出ることがあります。

たとえば、急に動きを止める、耳を伏せる、体を低くする、隠れ家に入る、ケージの奥へ逃げる、しばらく静かになる、といった様子です。警戒に近い声のあとには、逃げる・隠れる・固まる反応が見られることがあります。

こうした反応が一時的で、その後すぐに食べたり動いたりできているなら、環境への一時的な反応として見守れる場合もあります。

一方で、隠れる時間が増えた、以前より人や同居個体を避ける、特定の音や掃除のあとに毎回強く反応する、といった変化があるなら、環境側の負担を減らせないか考えたいところです。

同居個体との距離や小競り合い

多頭飼育では、鳴き声がデグー同士の関係を映すことがあります。

毛づくろいや鼻先の接触と一緒に短い声が出ているなら、社会的なやりとりの一部として見られる場合があります。一方で、食べ物や場所をめぐって押し合う、前足で払う、追い回す、噛む、片方が隠れ続けるといった様子があるなら、距離の調整やストレスを考えたい場面です。

小競り合いのすべてが深刻とは限りません。ただ、傷がある、片方だけ体重が落ちる、食べる量が減る、片方だけ回し車や寝床を使えない、隠れる時間が増えるといった変化がある場合は、鳴き声よりも生活全体への影響を重視した方がよいでしょう。

掃除・来客・音・レイアウト変更など環境の変化

鳴き声が増えたときは、直前に何が変わったかも振り返ってみます。

ケージを大きく掃除した。床材をすべて入れ替えた。レイアウトを変えた。来客があった。大きな生活音が続いた。部屋の温度や明るさが変わった。こうした変化は、デグーにとって環境の見通しが変わる出来事になりえます。

環境を急に変えすぎないこと、隠れられる場所や運動できる環境を用意すること、予測しやすい生活リズムを保つことは、デグーの安心につながります。とくに掃除では、においや配置が一気に変わることで落ち着きにくくなる場合があります。

鳴き声が増えた日だけを見るのではなく、「その前に何をしたか」を一緒に思い出すと、原因を決めつけずに整理しやすくなります。

ストレスや不調が気になるときの見方

鳴き方の急な変化だけで判断しない

いつもと違う鳴き方が急に増えると、何か起きているのではと心配になります。

その感覚は大切です。ただ、鳴き声の変化だけでストレスや病気を判断するのは難しいものです。動物の痛みや不調は、鳴き声よりも活動量、食欲、体重、毛づくろい、姿勢などの変化に現れることがあります。

たとえば、よく鳴くようになったけれど、食欲も体重も活動量も変わらず、環境変化に一時的に反応しているだけのこともあります。反対に、あまり鳴かなくても、食べ方が変わっていたり、体重が落ちていたり、隠れる時間が増えていたりするなら注意が必要です。

「鳴いているか」だけでなく、「普段のその子と比べて何が変わったか」を見ることが、落ち着いた判断につながります。

食欲・体重・排泄・活動量を見る

デグーの不調を考えるうえで、食欲や体重の変化は重要な手がかりになります。

ペットデグー300例を対象にした後ろ向き調査で、後天性歯科疾患が60.0%、毛かじりによる脱毛が13.33%、白内障が13.33%と報告されています。鳴き声から病気を詳しく判断しようとしすぎる必要はありませんが、デグーでは「食べ方」「体重」「被毛」「目の変化」が観察の柱になりやすいことは押さえておきたい点です。

たとえば、鳴き方の変化に加えて、食べる量が減った、硬いものを食べにくそうにしている、排便量が減った、体重が落ちている、動く時間が減ったといった変化がある場合は、早めに獣医師へ相談する材料になります。

体重の変化を見たい場合は、小動物を量れるスケールを使い、同じ条件で定期的に確認しておくと、感覚だけに頼らず変化を見つけやすくなります。

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目・鼻・口・被毛・呼吸の変化を見る

鳴き声が気になるときは、顔まわりや被毛、呼吸の様子も見ておきたいところです。

目や鼻に分泌物がある、口の周りが濡れている、よだれが見られる、呼吸が荒い、被毛が乱れている、毛づくろいが減っている、白い歯が目立つ、傷や跛行がある。こうした変化は、鳴き声とは別に体調不良の可能性を考えるサインになります。

デグーは、具合の悪さを分かりやすく見せないことがあります。だからこそ、「鳴いたから大変」と急ぐより、「鳴き方の変化に、体の変化が重なっていないか」を一つずつ確認する方が現実的です。

気になる変化が複数重なっている場合や、普段と明らかに違う状態が続く場合は、エキゾチックアニマルを診られる動物病院に相談しやすいよう、いつから、どの場面で、どんな変化があるかを整理しておくと伝えやすくなります。

傷や追い回しがある場合は多頭関係も見直す

多頭飼育で鳴き声が増えたときは、体調だけでなく関係性も確認します。

一緒にいる時間が長いからといって、いつも安定した関係でいられるとは限りません。食べ物、寝床、回し車、隠れ家、通路の位置などによって、片方だけが不利になっていることもあります。

追い回しが続く、片方だけが隠れる、傷がある、食べる量に差がある、片方だけ体重が減るといった変化があるなら、「鳴き声が多い」ことよりも、暮らしの中で片方に負担が偏っていないかを見る必要があります。

小競り合いをすべて問題と考える必要はありません。ただ、声と一緒に傷や生活への影響が出ているなら、環境の見直しや獣医師への相談を含めて、早めに対応を考えたい場面です。

「いつもと違う」に気づくためにできること

普段の鳴き方と行動を覚えておく

鳴き声を読み取るうえでいちばん役に立つのは、普段のその子を知っていることです。

よく鳴くタイプなのか。人が近づくと声を出すのか。同居個体と接触するときに鳴くのか。掃除のあとに落ち着かなくなるのか。こうした普段の傾向が分かっていると、「いつも通り」と「いつもと違う」を分けやすくなります。

研究上の分類をすべて覚えるより、日常の中でその子のパターンを知る方が、実際の判断にはつながりやすいものです。

体重や食欲を定期的に確認する

デグーの健康管理では、毎日の健康チェックや、定期的な体重確認、歯のチェックが大切です。鳴き声の変化に気づいたときも、体重や食欲の記録があると、判断材料が増えます。

たとえば、「最近よく鳴く気がする」だけでは相談しにくくても、「3日前から高い声が増え、同じころから食べる量が減り、体重も少し落ちている」と整理できれば、状況を伝えやすくなります。

日々の観察では、次のような変化を見ておくとよいでしょう。

  • 食べる量や食べ方
  • 体重
  • 排便や排尿の様子
  • 活動量
  • 隠れる時間
  • 同居個体との距離
  • 被毛や目・鼻・口の様子
  • 鳴き声が出る場面

すべてを細かく残す必要はありません。気になった変化があった日だけでも、あとから見返せる形にしておくと、原因を決めつけずに整理しやすくなります。

日々の変化を家族で共有しながら残しておくと、「誰が見たときに、どんな様子だったか」を振り返りやすくなることもあります。

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気になる変化は記録して相談しやすくする

動物病院に相談するときは、鳴き声の説明だけでは伝わりにくいことがあります。

「高い声」「キュッという声」「いつもより大きい声」といった表現は、人によって受け取り方が違います。可能であれば、鳴き声が出た場面、同時に見られた行動、食欲や排泄、体重の変化を一緒に伝えられると、状況が整理されます。

たとえば、次のようにまとめておくと、相談時に役立ちます。

  • いつから鳴き方が変わったか
  • どの場面で出ることが多いか
  • 同居個体との関係に変化があるか
  • 食欲や体重に変化があるか
  • 排泄や活動量は普段通りか
  • 目・鼻・口・被毛・呼吸に変化があるか

鳴き声を正確に言葉にすることより、「声と一緒に何が起きているか」を伝えることが大切です。

まとめ:鳴き声を決めつけず、暮らし全体の変化として見る

デグーの鳴き声には、意味の傾向があります。社会的な接触、警戒、距離の調整、不快や痛みの可能性など、声は日常の様子を知るための大切な手がかりです。

ただし、鳴き声だけで気持ちや体調を決めつけることはできません。同じように聞こえる声でも、相手との距離、直前の出来事、体の動き、環境の変化によって読み取り方は変わります。

鳴き声が気になったら、まずは「どんな場面で鳴いたか」を見ます。近づいているのか、逃げているのか。隠れているのか、毛づくろいしているのか。食欲や体重、排泄、活動量に変化はないか。

鳴くこと自体をすぐに異常と考えなくても大丈夫です。一方で、鳴き方の急な変化に、食欲低下、体重減少、活動量の低下、傷、呼吸や口元の異変などが重なるなら、早めに相談を考えたい場面です。

「この声の正解」を探すより、「いつものこの子と何が違うか」を見る。その視点が、デグーの声に振り回されすぎず、日々の小さな変化に気づく助けになります。

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