ペットショップで見かける子犬や子猫を見たとき、「この子はどこから来たのだろう」と感じたことがあるかもしれません。
ブリーダーやペットショップという言葉はよく知られていますが、その間にどのような流れがあるのかは、あまり意識されないままになりがちです。
日本の犬猫の流通は単純な一本道ではなく、いくつもの経路が重なり合っています。まずはその全体像から見ていきます。
犬や猫は「生まれてから販売され、飼い主のもとへ届く」という流れをたどりますが、その経路はひとつではありません。
代表的な流れには、次のようなパターンがあります。
同じ「ペットショップで出会う犬や猫」であっても、その前段には異なる流れがあります。
流通を理解するためには、「どこから来たか」をひとつに決めつけるのではなく、複数の経路があることを前提に見ることが大切です。
流通の中で主に関わるのは、以下のような主体です。
ブリーダーは「生まれる場所」であり、ペットショップは「飼い主と出会う場所」と言えます。その間に、市場や卸といった中間的な役割が入り、流通が成り立っています。
これらの役割は、きれいに分かれているわけではありません。
このように、ひとつの事業者が複数の役割を持つことがあります。
そのため、「ブリーダー」「ショップ」といった呼び方だけでなく、どのような役割を担っているかで見ると、流れがつかみやすくなります。
犬猫の流通の中で、あまり知られていない存在が「ペットオークション」です。
これは制度上「競りあっせん業」として扱われ、事業者同士が犬や猫を売買する場として機能しています。
特徴としては、次のような点があります。
事業所の数は多くありませんが、取引が集まりやすいため、流通の中で中継地点のような役割を持つことがあります。
一方で、一般には見えにくい仕組みでもあるため、存在自体が知られていなかったり、特別なケースだと感じられたりすることもあります。
犬猫の流通は、いくつかの制度によって成り立っています。
販売の際には、実際に動物を確認し、対面で説明を受けることが求められています。
インターネットで情報を見つけることはできますが、最終的には実物を見て理解することが前提とされています。
子犬や子猫は、生後56日(8週)を過ぎるまで販売や展示ができません。
このルールは、どの流通経路でも共通して適用されます。
流通の中では、次のような情報を記録し、一定期間保管することが求められています。
さらに、マイクロチップの装着や登録も進められており、「どこから来て、どこへ行ったのか」を追える仕組みが整えられています。
こうした仕組みは、流通の中で情報が途切れにくくするためのものです。
流通の全体像を数字で把握しようとすると、難しさがあります。
たとえば、次のような点です。
このような特徴があるため、全体を一つの数値で捉えることが難しくなっています。
その結果、「どのくらい流通しているのか分からない」という印象につながりやすくなっています。
犬や猫を迎える方法として、保護団体や譲渡もあります。
これらは「家庭に迎えられる」という点では同じですが、流通の仕組みとしては別の流れになります。
主な違いとしては、次のような点があります。
このように、商業的な流通とは異なる仕組みで運営されています。
そのため、両者は対立するものとしてではなく、別の仕組みとして理解すると整理しやすくなります。
日本の犬猫の流通は、
さらに、
といった制度によって支えられています。
ひとつのイメージだけで捉えるのではなく、いくつかの流れが重なっていると理解することで、これまで見えにくかった部分が少しずつ整理されて見えてきます。