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犬がうんちを食べる理由|食糞の原因と見直したい生活環境
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犬がうんちを食べる理由|食糞の原因と見直したい生活環境

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愛犬がうんちを食べるところを見ると、驚きや不快感だけでなく、「病気なのでは」「しつけが悪かったのでは」と不安になることがあります。口に入れてほしくないものだからこそ、つい強く止めたくなる行動です。

犬の食糞は、ひとつの理由だけで説明できるとは限りません。空腹や食事内容が関係することもあれば、退屈、学習、不安、排泄物がすぐ近くにある環境、体調の変化が関わることもあります。

この記事では、食糞を「恥ずかしい行動」や「飼い主の失敗」として扱わず、家庭で何を見直せるのか、どんな変化があるときに動物病院へ相談したいのかを整理します。

犬の食糞は、すぐに病気やしつけ失敗と決めつけなくてよい

犬の食糞は、一定数の犬に見られる行動です。犬の食糞に関する大規模調査では、頻繁に食糞する犬が16%、少なくとも一度は食べた犬が23〜24%でした。

この数字は、「食糞しても気にしなくてよい」という意味ではありません。けれど、自分の犬だけが特別におかしい、飼い方を間違えた、とすぐに結びつけなくてもよい材料にはなります。

食糞は、子犬の探索行動として見られることがあります。においをかぐ、口に入れる、確かめるという行動の延長にある場合です。また、排泄物が残っている環境、飼い主の反応、同居犬の影響などから、あとから覚えることもあります。

一方で、体調要因を完全に外して考えることもできません。消化吸収の問題、寄生虫、食欲が強くなる病気などが背景にある場合もあります。食糞だけを見て病気と決めるのではなく、便の状態、体重、食欲、飲水量、元気さをあわせて見る必要があります。

食糞の背景は、行動・環境・体調に分けて考える

食糞を見たときは、「なぜ食べるのか」をひとつに絞ろうとすると、かえって混乱しやすくなります。家庭では、行動、環境、体調の3つに分けて見ると整理しやすくなります。

行動として起きる場合

行動面では、学習や注目を引く行動が関わることがあります。犬が便に近づいたとき、飼い主が大きな声を出したり、急いで追いかけたりすると、その反応自体が犬にとって強い刺激になる場合があります。

犬によっては、「便に近づくと飼い主が反応する」と覚えることがあります。便を取られる前に急いで食べようとする行動につながることもあります。

退屈や発散不足も、背景として考えられます。散歩や遊びが足りないという単純な話ではなく、においをかぐ、探す、考えるといった犬らしい活動が少ない時間に、便が目の前にあると、食糞が行動の選択肢になってしまうことがあります。

生活環境が関わる場合

環境面でまず見るのは、便にどれくらい簡単にアクセスできるかです。室内トイレ、庭、留守番中のケージ内、多頭飼育の共用スペースなどで便が残りやすいと、食べる機会が増えます。

特に、排便後すぐに片づけられない状況では、犬が便を確認する時間が長くなります。食糞は比較的新しい便に向きやすい傾向もあるため、排便後の数分をどう管理するかは、家庭で見直しやすい部分です。

多頭飼育では、自分の便だけでなく、同居犬の便を食べることもあります。食糞する犬が同居していることも関連因子になりうるため、ほかの犬の排泄場所や片づけのタイミングも確認対象になります。

体調の変化と一緒に見る場合

体調面では、食糞だけで判断せず、ほかの変化を合わせて見ます。たとえば、体重が減っている、軟便や下痢が続く、便の量が多い、嘔吐がある、食欲が強くなった、水をよく飲む、尿が増えたといった変化です。

消化吸収不良、寄生虫、膵外分泌不全、糖尿病、クッシング症候群などは、食欲や便の変化と関わることがあります。これらは食糞だけで判断できるものではありませんが、併発する変化があるなら、家庭内の対策だけで済ませない方がよい場面です。

叱るより先に、うんちを食べられない環境を作る

食糞を見つけたとき、強く叱りたくなるのは自然な反応です。ただ、食糞では、叱ることが解決につながりにくい場合があります。

犬が便を食べようとした瞬間に大きな声を出すと、犬にとっては「飼い主が反応した」という経験になります。追いかけられることで遊びのようになったり、取られる前に飲み込もうとしたりすることもあります。

対応の中心は、食べる前に防ぐことです。排便後はできるだけ早く片づけ、犬が便に戻る前に別の行動へ移れるようにします。室内トイレなら、排便しやすい時間帯を把握し、その前後だけでも目を配れると管理しやすくなります。

散歩中は、ほかの犬や動物の便に近づく前に距離を取ります。地面のにおいをかぐこと自体をすべて止める必要はありません。便を見つけたら、リードで引っぱるより先に名前を呼び、離れた方向へ誘導する方が落ち着いて対応しやすくなります。

排便後に便から離れる行動を教える方法もあります。排便したら犬を呼び、便とは反対側に移動してから褒める、という流れです。ごほうびを使う場合は、便のすぐ近くで出すより、便から離れた場所で出す方が、便への接近と結びつきにくくなります。

退屈や刺激不足が背景にありそうな犬では、遊び方の見直しも助けになります。散歩の距離だけでなく、においを探す遊び、考えて食べる遊び、短いトレーニングなどを取り入れると、便以外に向かう行動の選択肢を増やせます。

留守番中や退屈な時間の対策として、知育トイやノーズワーク用品が使われることもあります。ただし、食糞を直接止める道具としてではなく、犬が別の活動に向かいやすくする補助として考えるのが自然です。

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多頭飼育では、どの犬の便を食べているのかを確認します。自分の便だけなのか、同居犬の便も食べるのかで、見直す場所が変わります。排泄場所を分ける、排便後すぐ回収する、留守番中に便へアクセスできない環境にするなど、犬ごとに管理する視点が必要です。

食事量やフードは、便と体重の変化とあわせて見る

食糞があると、「お腹が空いているのでは」「栄養が足りないのでは」と考えやすくなります。食事量やフードの確認は必要ですが、それだけで原因を決めるのは早い場合があります。

まず見たいのは、体格に対して食事量が少なすぎないか、食事と食事の間が長すぎないか、体重が落ちていないかです。おやつを含めた総量が分かりにくい場合は、数日分だけでも食べた量を具体的に残すと、見直しやすくなります。

便の状態も一緒に見ます。軟便が続く、便の量が多い、未消化のものが目立つ、においが大きく変わった、といった変化があるなら、単なる空腹ではなく、食事の消化性や体調要因も考える必要があります。

フードをすぐに変えればよいとは限りません。頻繁なフード変更は、便の状態をさらに不安定にすることもあります。食事が関係していそうな場合は、食事量、便の状態、体重、食欲を整理したうえで、獣医師に相談しながら考える方が安全です。

食事量を把握したいときは、フードを目分量ではなく量っておくと、変化を説明しやすくなります。保存状態が悪いと食いつきや便の状態に影響することもあるため、日常管理として見直す余地があります。

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サプリメントや食糞対策用の添加剤は、食事の見直しとは分けて考えます。市販の食糞対策製品については、自己申告ベースの成功率が0〜2%にとどまった例があります。使うとしても、環境管理や体調確認より前に置くものではありません。

こんな変化があるときは、動物病院で相談を

食糞があっても、元気で便の状態も安定しており、体重や食欲に大きな変化がない場合は、まず生活環境の見直しから始めやすい状況です。

一方で、体調の変化が重なっている場合は、食糞を行動だけの問題として扱わない方がよいです。特に、急に始まった、頻度が増えた、ほかの症状がある、という場合は相談の材料になります。

急に始まった・悪化した

これまで食糞がなかった犬が急に食べ始めた場合は、生活の変化を確認します。引っ越し、家族構成の変化、留守番時間の変化、同居犬の追加、食事の変更、薬の開始などです。

環境の変化が思い当たらない場合でも、体調変化が隠れていることがあります。いつから始まったのか、どの便を食べるのか、自分の便か同居犬の便か、散歩中の便かをメモしておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。

下痢や嘔吐、体重減少がある

軟便、下痢、嘔吐、体重減少がある場合は、消化器や寄生虫、消化吸収の問題が関わる可能性があります。膵外分泌不全では、体重減少、軟便や多便、食欲の強さが見られることがあります。

このような変化がある場合、食糞を止める工夫だけで様子を見るより、便の状態や体重変化を含めて動物病院で相談する方が、原因の切り分けにつながります。

食欲や飲水量が大きく変わった

食欲が急に強くなった、水をよく飲む、尿が増えたといった変化も確認したいサインです。糖尿病やクッシング症候群などでは、多飲多尿、食欲の変化、体重変化が見られることがあります。

もちろん、これらの症状があるからといって、飼い主が病名を判断する必要はありません。伝えたいのは、「いつから」「どれくらい」変わったかです。食糞の有無に加えて、食欲、飲水量、尿の回数、体重の変化を具体的に伝えられると、診察時の手がかりになります。

相談時に伝えたいこと

動物病院で相談するときは、食糞そのものだけでなく、前後の状況を伝えます。

  • いつから始まったか
  • どの便を食べるか
  • どれくらいの頻度か
  • 排便後すぐ食べるのか、時間がたってから食べるのか
  • 食事内容や食事量を変えたか
  • 便の状態に変化があるか
  • 体重、食欲、飲水量、尿の量に変化があるか
  • 留守番時間や生活環境に変化があったか

便の写真や、食糞しそうになる前後の動画があると、状況を説明しやすくなります。便を持参する場合は、動物病院に事前に保存方法や持って行き方を確認しておくと安心です。

食糞対策品やサプリメントは、補助的に考える

食糞対策として、便の味を変える添加剤、消化を助けるサプリメント、忌避剤などが紹介されることがあります。すぐ試せる選択肢に見えるため、困っていると手に取りたくなるかもしれません。

ただ、食糞対策品を中心に考えるのは慎重でよさそうです。市販の食糞対策製品について、自己申告ベースの成功率が0〜2%と低かった例があります。

消化補助系のものが一部の犬で役立つ可能性はありますが、それは消化や吸収に関わる背景がある場合の補助として考えるものです。食糞の理由を確認しないまま、サプリメントだけで解決しようとすると、体調変化や生活環境の問題を見落とすことがあります。

商品を使うかどうかを考える前に、便が残る時間を減らせているか、叱る反応が強くなっていないか、退屈や不安が関わっていないか、便や体重に変化がないかを確認します。そのうえで、食事や消化が関係していそうな場合は、自己判断で追加するより、獣医師に相談してから検討する方が向いています。

まとめ

犬がうんちを食べる行動は、病気、しつけ、空腹のどれかひとつに急いで当てはめるより、行動・環境・体調に分けて見ると整理しやすくなります。

家庭で最初に見直しやすいのは、便を食べられる状況を減らすことです。排便後すぐ片づける、便から離れる行動を教える、留守番中や多頭飼育で便にアクセスしにくくする、退屈や不安につながる時間を見直す。こうした環境側の調整は、叱るよりも犬に伝わりやすい対応になります。

食事については、空腹やフードの影響を考えつつ、体重や便の状態とあわせて判断します。食糞があるからすぐフード変更、サプリメント、対策品という順番ではなく、何が起きているかを少し分解して見る方が、犬にも飼い主にも負担が少なくなります。

体重減少、下痢や嘔吐、多飲多尿、急な食欲の変化、元気の低下がある場合は、食糞だけの問題として片づけず、動物病院で相談する材料になります。相談するときは、いつから、どの便を、どの頻度で食べるのかを伝えられるようにしておくと、原因の切り分けがしやすくなります。

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