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犬とエレベーターに乗るとき|リードの挟まり・飛び出し事故を防ぐ
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犬とエレベーターに乗るとき|リードの挟まり・飛び出し事故を防ぐ

散歩へ出るときや帰宅するとき、犬と一緒にエレベーターを使う家庭もあります。毎日の短い移動だからこそ、「犬と飼い主のどちらが先に乗ればいいのか」「リードを短く持てば十分なのか」と、細かな動きまでは意識していないこともあるかもしれません。

犬とのエレベーター利用では、犬と飼い主が扉の反対側に分かれ、その間をつなぐリードが扉に挟まる事故が実際に起きています。さらに、犬と飼い主が同じ側へ移動できても、余ったリードだけが扉の間に残ることも考えられます。

事故を避けるために見ておきたいのは、「犬が先か、飼い主が先か」という一つのルールではありません。扉が開く前から犬をそばに置き、リードの状態を整え、犬・飼い主・リードがまとまって扉を通る。この一連の動きが大切です。

リード事故は「犬と飼い主が離れる」ところから起こる

国土交通省は2006年、犬を連れてエレベーターを利用していた人が負傷した事故を公表しています。犬が途中の階で先に降り、飼い主がかご内に残ったところで扉が閉まり、挟まったリードを介して飼い主の手指に強い力がかかった事故でした。

この事例で危険だったのは、「犬が先に降りたこと」だけではありません。犬と飼い主が扉の反対側へ分かれ、その間にリードが残ったまま扉が閉じたことが事故につながりました。

反対に、飼い主だけが先に乗って犬が外へ残った場合にも、同じようにリードが扉をまたぐ状態になります。乗るときも降りるときも、一方だけが先へ進み、もう一方との距離が開く場面には注意が必要です。

もう一つ見落としやすいのが、犬と飼い主は同じ側にいるのに、リードのたるみだけが扉の間へ残る状態です。犬の身体が通過したことだけで終わりにせず、リードまで同じ側へ収まっているかを見る必要があります。

センサーがあっても、細いリードを必ず検知できるとは限らない

「エレベーターにはセンサーがあるから、何かが挟まれば扉が開くのでは」と考えることもあります。しかし、一般的な光線式のセンサーでは、光線と光線の間を細い犬用リードが通ると検知できない場合があります。実際にエレベーターメーカーは、細い紐やリードを検知するための専用機能を別に開発しています。

一方で、こうしたリード向けの検知機能がすべてのエレベーターに備わっているわけではありません。専用機能がある場合にも、リードの太さや挟まる位置などによって検知できない条件があります。

そのため、利用しているエレベーターのセンサーによるリードの検知を前提にせず、リードを扉の間へ残さない動きを心がけることが大切です。

扉が開く前に、犬の位置とリードを整える

事故を防ぐ準備は、扉が開いてからではなく、エレベーターを待っている間から始められます。東京消防庁の注意喚起でも、エレベーターの扉から離れて待つことや、ペットの動きに注意してリードを扉に挟まれないようにすることを呼びかけています。

扉のすぐ前で待たない

犬が扉のすぐ前にいると、開いた瞬間にそのまま中へ進める状態になります。待っている間は扉から離れ、犬を飼い主のそばへ寄せておくと、開扉した直後に犬だけが飛び込む状況を作りにくくなります。

また、扉の向こうから人や犬が降りてくる場合もあります。真正面を空けて少し離れて待つことで、扉が開いたあとに相手の様子を確認してから動きやすくなります。

「扉から何cm離れる」といった全国共通の数値基準は見当たりません。距離を数字で覚えるよりも、扉が開いた瞬間に犬がそのまま敷居へ達しない位置かどうかで考える方が現実的です。

リードは「何cm」ではなく、犬がそばにいる状態へ

リードについても、「何cm以下」という共通基準は見当たりません。長さそのものより、犬が飼い主のそばにいて、単独で先に扉を越えられない状態になっているかどうかを見ます。余ったリードが長く垂れ、扉や敷居の近くまで届いていないことも確認します。

伸縮リードを使っている場合は、エレベーターへ近づく前に伸びを戻しておくと、犬だけが先へ進める距離や、扉の間へ残り得る長さを減らせます。伸縮リードそのものが全国一律で禁止されているわけではないため、「伸びたまま扉へ近づかない」ことを意識します。

短くするときも、指や手首へ巻き付けない

リードを短くすることと、指や手首へ巻き付けることは別です。

犬に急に引かれたとき、指や手へ巻いたリードが強く締まり、骨折や脱臼などのけがにつながった例も報告されています。犬を近くに置ける長さに調整しながらも、強い力が加わったときに手を締め付けるような持ち方は避けます。

「犬が先か、飼い主が先か」より、離れずに扉を通る

エレベーターへ乗るとき、「飼い主が先に入るべきか、犬が先に入るべきか」と迷うことがあります。

飼い主が先に入る場合でも、犬が乗場で止まれば、飼い主だけが中、犬だけが外という状態になります。犬が先の場合も、犬だけが飛び込んで飼い主との間隔が開けば、同じように扉の両側へ分かれる可能性があります。

そのため、順番だけで安全を決めるよりも、犬をそばに置いたまま、一方が扉を通った直後にもう一方も続き、途中で間隔を開けないことが大切です。

乗るとき

扉が開いても、犬だけを先に飛び込ませず、中の様子を確認してから動きます。

犬と飼い主が近い状態を保ち、そのまま続けて扉を通ります。犬が途中で立ち止まったり、後ろへ戻ったりすると一方だけが取り残されるため、扉を横切っている間は犬の位置にも目を向けます。

降りるとき

降りるときも考え方は同じです。扉が開いた瞬間に犬だけが外へ出ると、飼い主が中に残る状態が生まれます。実際に公表された事故も、犬が先に降りた場面で発生しています。

目的の階が近づいたら犬をそばへ戻し、リードの長いたるみをなくしてから扉が開くのを待ちます。開いたら犬と飼い主が続けて通り、片方だけが先へ離れないようにします。

乗った後も、降りる前にもう一度リードを整える

エレベーターへ乗れたあとも、犬が扉の近くに残っていると、次に扉が開いたときにすぐ外へ出られる状態になります。乗車中は犬を飼い主の足元や横へ寄せ、扉から離しておきます。降りる階が近づいたら、犬の位置とリードの長さをもう一度確認します。

扉を通り終えたあとには、犬だけでなくリードも見ます。持ち手から首輪やハーネスとの接続部分までがすべて扉の同じ側にあり、たるみが敷居や扉の間に残っていないことを確認してから、その場を離れます。「犬が出たから大丈夫」ではなく、「犬・飼い主・リードまで通り終えた」ところを一回の乗降と考えると、確認する場所がわかりやすくなります。

抱っこや伸縮リードは、一律に良い・悪いとは決められない

小型犬では、エレベーター内で抱っこすることもあります。安全に抱えられれば、犬だけが床から飛び出して飼い主と離れる状況を減らせます。

ただし、「小型犬なら必ず抱っこする」という全国共通のルールがあるわけではありません。抱いている場合でも、リードのたるみが床や扉へ垂れていれば、リードが残る問題はなくなりません。

また、集合住宅などでは、共用部分では犬を抱く、キャリーに入れるといった条件が管理規約や使用細則で定められている場合があります。普段利用する建物については、その施設のルールも別に確認しておきます。

伸縮リードについても、「使っていること」だけで一律に判断するのではなく、エレベーターの近くで伸びた状態になっていないかを見ます。犬がそばにいて、余った部分が扉側へ残らない状態にできるかが、通常のリードと共通する確認点です。

まとめ

犬とエレベーターを利用するときに覚えておきたいのは、特定の乗降順ではなく、犬・飼い主・リードを扉の両側へ分けないことです。

扉から少し離れて待ち、開く前に犬をそばへ寄せてリードを短くします。乗るときも降りるときも片方だけを先へ行かせず、近い状態のまま続けて扉を通ります。

通り終えたら、犬だけでなくリードまで同じ側へ収まっているかを確認します。毎日の短い移動でも、この一連の動きを決めておくと、「何に気をつければよいか」をその都度考え直さずに済みます。

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