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「最近、おしっこの回数が増えた気がする」
犬と暮らしていると、そんな変化に気づくことがあります。
ただ、回数が増えたからといって、すぐ病気とは限りません。暑さや飲水量、食事内容、年齢による変化でも排尿回数は変わります。
一方で、膀胱炎や尿路結石のように、早めに受診したほうがよいケースが隠れていることもあります。
大切なのは、「何回したか」だけで判断しないことです。
尿の量はどうか、痛そうにしていないか、水を飲む量は増えていないか。そうした変化を一緒に見ることで、「様子を見てもよさそうな変化」と「受診を考えたい変化」は少し判断しやすくなります。
犬の排尿回数には、かなり個体差があります。
一般的には、子犬では1日に7〜10回程度、成犬では3〜5回程度、シニア犬では5〜6回程度と紹介されることがあります。ただ、これはあくまで大まかな目安です。
実際には、
などによって、排尿回数はかなり変わります。
たとえば、暑い日や運動後に水を多く飲めば、一時的に尿回数が増えることがあります。ウェットフード中心の食事では、食事中の水分量が多いため、尿量が変わることもあります。
逆に、散歩のときだけ排尿する犬では、回数自体は少なく見えることもあります。
そのため、「1日○回だから異常」とは言い切りにくいのが実際のところです。
見分けるうえで大事なのが、「頻尿」と「多尿」は同じではない、という点です。
頻尿は、少量を何度もする状態です。
一方、多尿は、1回量も総量も増えている状態を指します。
たとえば、
場合は、膀胱や尿道など下部尿路のトラブルが疑われやすくなります。
反対に、
場合は、多飲多尿を起こす病気が背景にあることもあります。
「回数が増えた」という同じ見え方でも、中身はかなり違うことがあります。
排尿回数の増加には、生活上の変化が関係していることもあります。
たとえば、
といった状況です。
こうしたケースでは、尿量自体もある程度保たれていることが多く、血尿や強い痛みを伴わないことが少なくありません。
また、原因となる状況が落ち着くと、数日程度で元のリズムへ戻ることもあります。
ただ、「生活要因っぽいから安心」と決めつけないことも大切です。
場合は、一時的な変化だけでは説明しにくくなります。
子犬では特に、緊張や興奮によって少量の排尿が起こることがあります。
来客時や再会時、叱られたときなど、特定の場面でだけ見られることが多く、成長とともに落ち着くこともあります。
ただ、こうした行動性の排尿も、病気が完全に否定できて初めて考えられるものです。
「興奮してるだけだろう」と思っていたら、膀胱炎や結石が隠れていた、ということもあります。
シニア犬では、排尿の変化がより複雑になります。
加齢による膀胱機能の変化で回数が増えることもありますが、
などが背景にある場合もあります。
「年齢のせいかな」で片づけず、「以前との違い」を見ることが大切です。
排尿回数だけでなく、「どんな変化が一緒に起きているか」は重要な判断材料になります。
膀胱炎や尿路結石では、
といった様子が見られることがあります。
特に、「何度もしゃがむのにほとんど出ていない」状態は注意が必要です。
尿に血が混じる、においが強くなる、濁るといった変化も、受診判断につながるポイントです。
膀胱炎や結石だけでなく、腫瘍などでも血尿が見られることがあります。
元気そうに見えても、「尿だけ変だな」という状態から始まるケースもあります。
排尿回数だけでなく、「水を飲む量が増えたか」はとても重要です。
糖尿病や腎疾患、子宮蓄膿症などでは、多飲多尿が起こることがあります。
「水をちゃんと飲めているから安心」というより、「なぜそんなに飲んでいるのか」を考える必要があります。
日々の変化を写真やメモと一緒に残しておくと、「最近急に水を飲む量が増えたかもしれない」といった変化にも気づきやすくなることがあります。
頻尿に加えて、
場合は、全身状態にも影響が出ている可能性があります。
特に尿が出にくい状態と全身症状が一緒にある場合は、緊急性が高くなることがあります。
尿路閉塞では、
といった状態になることがあります。
これは便秘と見間違われることもありますが、実際には緊急対応が必要になるケースがあります。
特に、
場合は、短時間でも様子見しにくい状態です。
「どの段階で病院へ行くべきか」は、多くの人が迷いやすいところです。
以下のような変化がある場合は、比較的早めの相談が考えられます。
特に、未避妊メスで多飲多尿や元気低下がある場合は、子宮蓄膿症も背景として考えられます。
以下は緊急性が高くなる可能性があります。
「少し出ているから完全には詰まっていないだろう」とは限りません。
閉塞が進行している途中のこともあります。
一方で、
場合は、一時的変化として見られることもあります。
ただし、数日続く、繰り返す、悪化する場合は、経過観察だけでは判断しにくくなります。
頻尿の診察では、まず「どんな排尿変化なのか」を確認するところから始まります。
尿検査では、
などを確認します。
膀胱炎や結石、糖尿病、腎疾患など、さまざまな病気の手がかりになる基本的な検査です。
場合によっては、血液検査や超音波検査が追加されることもあります。
診察では、「何回したか」だけよりも、
などが重要な判断材料になります。
飲水量を確認したいときは、計量しやすい給水ボウルを使ってみる方法もあります。
また、室内での尿色や量の変化を見やすくしたい場合は、白色系のペットシーツが観察しやすいこともあります。
愛犬の「いつもと違う」に気づいたとき、不安になるのは自然なことです。
ただ、回数だけで判断しようとすると、必要以上に怖くなったり、逆に見逃したりすることもあります。
大切なのは、
を一緒に見ることです。
そして、「いつもと違う状態が続いているか」を観察することが、受診判断の大きな助けになります。