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犬が散歩中に彼岸花を口にした可能性があるとき|誤食の確認と受診判断
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犬が散歩中に彼岸花を口にした可能性があるとき|誤食の確認と受診判断

秋の散歩道や庭で、犬が彼岸花へ顔を近づけたり、赤い花をくわえたりするのを見て、「食べてしまったかもしれない」と不安になることがあります。

彼岸花にはリコリンなどの有毒成分が含まれています。ただし、「少しなめただけなら大丈夫」「一口でも食べたら必ず重症になる」と単純には判断できません。何に、いつ、どのように接触したのかを確認し、動物病院へ相談するときに伝えましょう。

まず確認したいのは「触れた」のか「口にした」のか

最初に確認したいのは、犬が彼岸花に外から触れただけなのか、それとも口の中へ入れた可能性があるのかです。鼻先や被毛が触れただけで全身性の中毒が起きたと決めつけず、植物や成分を口にした可能性があるかを確かめます。

一方、犬が口元を近づけていた場合は、次のどれに当てはまるかを思い出せる範囲で分けてみます。

  • 舌でなめたのか
  • 一度くわえただけなのか
  • かじったのか
  • 一部を飲み込んだ可能性があるのか

なめた・くわえた・かじった・飲み込んだを分けて考える

一度なめたことだけで、中毒かどうかや症状が出る可能性までは判断できません。「なめただけだから問題ない」とも決めず、接触したときの様子を動物病院へ伝えます。

くわえたり、かじったりしていた場合は、植物の一部が口の中に残っていないか、欠けた部分がないかも確認材料になります。飲み込んだところを見た場合や、どのくらい飲み込んだのか分からない場合は、そのこと自体を動物病院へ伝える情報として残しておきます。

花だけとは限らない|どの部分を口にしたか確認する

彼岸花は「球根に毒がある植物」として知られることがありますが、球根だけが有毒というわけではありません。花・茎・葉を含む全草に有毒なアルカロイドが含まれ、リコリンはとくに鱗茎に多く含まれます

犬が口にした可能性がある場合は、次のどれに当てはまりそうかを確認します。

  • 花を支える茎
  • 地中の鱗茎(いわゆる球根)
  • どの部分か分からない

花や葉だから安全とは言えませんが、鱗茎にはリコリンが多く含まれるため、鱗茎をかじった、食べた可能性があることは、動物病院へ優先して伝えたい情報です。

庭掘りや植え替え後は鱗茎にも目を向ける

散歩中に咲いている花へ近づいた場面だけでなく、庭を掘ったあとや植え替え作業中、抜いた株を地面へ置いていたときなどは、地中にあった鱗茎へ接触している可能性もあります。秋の彼岸花は、花が咲いている時期に葉が見えないことがあるため、見えていた赤い花だけでなく、犬が地面を掘ったり、土から出た地下部分をかじったりしていなかったかも、分かる範囲で振り返ってみてください。

「少しなら大丈夫」「何時間か元気なら大丈夫」とは決めにくい

彼岸花を口にした可能性があるときは、「この量なら安全」と家庭で判断せず、動物病院へ相談します。食べた部位や量、植物中に含まれる成分の量によって状況が異なるため、「一口なら大丈夫」「大型犬だから少しくらいなら平気」とは言えません。

今元気でも、時間だけで判断しない

誤食した直後に普段どおり過ごしていても、「○時間何もなければ大丈夫」と時間だけで判断せず、口にした状況を動物病院へ伝えます。症状が出るまで待たず、受診が必要か確認しましょう。

一度吐いたあとに元気へ戻った場合も、「吐いたからすべて出た」とは判断せず、何時ごろ、何回吐いたか、植物片が含まれていたかなどを、誤食の状況とあわせて伝えられるようにしておきます。

動物病院へ相談するときは「いつ・どこを・どの程度」を整理する

彼岸花を口にした可能性があるとき、飼い主が中毒の程度まで判断する必要はありません。動物病院で状況を判断してもらえるよう、次の情報を分かる範囲で整理します。

  • いつ接触したか、またはその可能性がある時刻
  • 花・茎・葉・鱗茎のどの部分か
  • なめた、くわえた、かじった、飲み込んだのどれに近いか
  • どのくらい口にした可能性があるか
  • 飲み込んだところを見たか
  • 犬の年齢と体重
  • 持病や服薬の有無
  • 嘔吐やよだれなど、現在起きている変化
  • 症状があれば、始まった時刻や回数
  • 植物や残っている破片の写真

量が分からなければ、無理に推測せず「分からない」と伝えて構いません。植物の一部が残っている場合や、周囲の写真を安全に撮れる場合は、それも何を口にしたのかを確認する材料になります。

観察したいのは嘔吐だけではない

彼岸花に含まれるリコリンは、犬に吐き気や嘔吐を起こすことがあります。ただし、彼岸花を誤食した犬に、どの症状がどの程度現れるかを家庭で予測することはできません。特定の症状を待たず、嘔吐の有無に加えて、元気や食欲、歩き方、反応、呼吸が普段と違っていないかを確認し、動物病院へ伝えましょう。

繰り返し吐いている、強くぐったりしている、立てないほどふらつく、振戦やけいれんがある、反応や呼吸の様子がおかしいといった明らかな全身状態の異常がある場合は、植物の量をさらに調べてからではなく、救急対応を含めた診療につなげる場面です。

すぐ相談を考えたい場面

症状が出ていなくても、次のような状況では家庭だけで安全かどうかを決めず、動物病院へ電話して受診の要否を確認します。

  • 彼岸花の一部を飲み込んだところを見た
  • かじったが、飲み込んだ量が分からない
  • 鱗茎をかじった、または食べた可能性がある
  • なめたりくわえたりしたあと、飲み込んだかどうか分からない
  • どの部位、どのくらい、いつ口にしたのかがはっきりしない
  • 嘔吐などの変化がすでに出ている

「まだ元気だから、症状が出るまで待つ」と決めるのではなく、分かっている情報を先に伝えて、受診が必要か確認しましょう。

自宅で吐かせようとせず、追加の誤食を防いで相談する

誤食に気づくと、何かを飲ませたり、すぐ吐かせたりした方がよいのではと考えることがあります。有害物質に触れたり口にしたりした疑いがある場合は、まずその場所から犬を離して状態を確認し、動物病院へ相談しましょう。自己判断で吐かせようとしないことが大切です。

まずできること

彼岸花を口にしているところを見つけたら、それ以上食べないよう犬を植物から離します。口の手前に植物片が見えていて、安全に取り除ける場合は、追加で飲み込まないよう取り除くことを考えます。ただし、嫌がっている犬の口の奥へ手を入れてまで取り出す必要はありません。

そのあと、接触した時刻や部位、量を分かる範囲で整理し、植物全体や残っている部分を安全に撮影できる場合は写真を残します。

自己判断で吐かせない

塩やオキシドールなどを使って家庭で吐かせる方法は、自己判断で行わないようにします。塩は、それ自体が犬の中毒原因になることがあります。オキシドール(3%過酸化水素)も、健康な犬であっても胃や十二指腸の粘膜を傷つけるおそれがあります。

獣医療の中では状況に応じて催吐が検討されることがありますが、何を食べたか、どのくらい時間が経っているか、犬の状態などによって判断が変わります。家庭で量や方法を決めて行うのではなく、動物病院へ確認します。

牛乳や大量の水を飲ませれば彼岸花の成分を「薄める」「中和する」ことができるとは限りません。自己判断で飲ませず、動物病院へ確認しましょう。

まとめ

犬が彼岸花を口にしたかもしれないときは、「毒のある植物だから危険」「少しだけだから大丈夫」とどちらかに決める前に、状況を分けて整理してみてください。確認したいのは、いつ、どの部位を、どの程度口にしたか、飲み込んだ可能性があるか、現在どのような変化があるかです。

彼岸花は全草に有毒成分を含み、とくに鱗茎にはリコリンが多く含まれます。「この量なら安全」「何時間元気なら問題ない」と家庭で決めず、症状が出ていなくても、口にした状況を動物病院へ伝えましょう。

明らかに飲み込んだ、鱗茎をかじった可能性がある、量が分からない、体調に変化があるといった場合は、その情報を動物病院へ伝えて受診の要否を確認します。家庭では無理に吐かせようとせず、追加の誤食を防ぎ、接触した状況や現在の様子を伝えられるようにしておきましょう。

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