ぺとふる
犬がうんちの後に地面を蹴るのはなぜ?行動の意味と止めたい場面
マガジン一覧に戻る

犬がうんちの後に地面を蹴るのはなぜ?行動の意味と止めたい場面

散歩中、犬がうんちやおしっこを済ませた直後に、後ろ足で土や草を勢いよく蹴ることがあります。砂や泥が飛び、後ろにいる人や犬へかからないかと慌てることもあるでしょう。

足についた汚れを落としているようにも、排泄物を隠しているようにも見える行動です。「縄張りを主張している」と聞いたことがあり、止めるべきなのか迷っている人もいるかもしれません。

これは排泄に関連する犬の行動のひとつですが、いつでも好きなだけ続けさせればよいわけではありません。行動の意味と、散歩する場所の安全性や周囲の状況を分けて考えると、見守る場面と切り替える場面を判断しやすくなります。

犬が排泄後に地面を蹴るのは、便を隠すため?

排泄後に後ろ足で地面を引っかく行動は、排便後だけでなく、排尿後にも見られます。そのため、足についた便を落とすためだけの動作とは考えにくく、排泄物へ土をかけて隠すことが目的とも限りません。犬は排泄物そのものを覆うというより、その周囲へ引っかき跡やにおいを残している可能性があります。

地面には後ろ足で蹴った跡が残り、排泄物のにおいに加えて、足に由来するにおいが周囲へ広がる可能性もあります。目で確認できる跡と、鼻で確認できるにおいを組み合わせた情報として機能していると考えられます。

ただし、地面を蹴るすべての犬が、同じ目的で行っているとまでは分かっていません。毎回行う犬もいれば、特定の場所や状況でだけ行う犬もいます。行動の有無だけから、犬の性格や気持ちをひとつに決めることはできません。

におい付けやマーキングとは、どこまで言える?

地面蹴りは、犬同士の情報伝達に関わる可能性があります。排泄場所を後から訪れた犬が、残されたにおいや跡を確認できるためです。

犬が、ほかの犬の足に由来するにおいを識別できることを示した研究があり、犬の肉球には分泌に関わる構造があります。こうした事実から、地面を蹴ることで足由来のにおいを残している可能性が考えられます。

一方で、そのにおいが相手へ何を伝えているのかは、十分に明らかになっていません。犬の性別や状態、通過した時間など、具体的な情報まで伝えているのかは分かっていません。

「肉球からフェロモンを出して縄張りを主張している」とまでは言い切れません。地面蹴りは社会的な情報を残す役割を持つ可能性がありますが、家庭犬が行うたびに、強い所有や対立の意思を示しているとは限りません。

ほかの犬を追い払おうとしている、気が強い犬だから行う、と性格へ直結させる必要もありません。散歩中の自然な一連の行動として現れることもあるため、前後の様子と合わせて捉える方が実際の暮らしにはなじみます。

そのまま見守ってよい場面、切り替えたい場面

地面蹴りを何回したら止める、何秒までなら見守るといった統一された基準は定まっていません。回数だけで正常か異常か、安全か危険かを分けるのは難しいため、見守るかどうかは、地面の状態、周囲への影響、行動後の犬の様子から考えます。

見守りやすいのは、行動後も普段どおり歩けるとき

やわらかい土や草の上で、後ろに人や犬がおらず、周囲のものを傷つける心配もない場所なら、短い地面蹴りをそのまま見守れることがあります。

蹴った後に犬が普段どおり歩き、足をかばう様子がなければ、地面蹴りだけを理由に毎回中断する必要はありません。犬自身が数回蹴ったところで歩き出すなら、散歩の流れを大きく変えずに見守れます。

排泄物を片づける際は、犬の後ろ足が届く位置へ急に近づかない方が安全です。蹴り始める可能性を考え、少し横へ立つと、土をかぶったり足が当たったりするのを避けやすくなります。

人や犬が後ろにいるときは、自然な行動でも切り替える

地面蹴りが犬にとって自然な行動でも、土や砂利、泥が周囲へ飛ぶ場面では配慮が必要です。歩道ですれ違う人がいるときや、ほかの犬がすぐ後ろにいるときは、蹴り始める前に少し移動を促す方が穏やかに散歩を続けられます。

人通りの多い場所では、犬が排泄している間に後方を確認しておくと、行動が始まってから慌てにくくなります。植え込みや花壇、私有地など、地面を掘り返したり土を飛ばしたりすると困る場所でも、行動を切り替えましょう。犬を責めるのではなく、その場所では続けにくいという環境側の条件として扱います。

硬い路面や危険物がある場所では足元を優先する

舗装された硬い地面や粗い砂利の上では、強く蹴ることで爪や肉球へ負担がかかる可能性があります。ガラスや金属片などの異物が見える場所、地面が熱くなっている場所や凍結している場所も、行動の意味より足元の安全を優先したい状況です。

すべての硬い地面で直ちにけがをするわけではありません。ただし、勢いよく何度も蹴っている場合や、足先が滑っている場合には、早めに歩き出す方が安全です。

散歩コースに犬が地面を蹴りやすい場所があるなら、排泄しそうなタイミングで地面の状態を先に確認する方法もあります。行動が始まってから強く止めるより、安全な場所へ少し誘導しておく方が、犬との対立を生みにくくなります。

強く叱らずに、地面蹴りを短く切り上げる方法

地面蹴りを止めたい場面でも、大声で叱ったり、リードを急に強く引いたりする必要はありません。罰や強制を中心にするより、望ましい行動へ誘導し、報酬を使う方法が犬のトレーニングには向いています。

散歩中は、地面を蹴る行動そのものを禁止するのではなく、「排泄が終わったら飼い主と歩き出す」という流れをつくると実践しやすくなります。

蹴り始める前に、安全な方向へ立ち位置を変える

犬が排泄を終えそうになったら、後方に人や犬がいないかを確認します。飛散を避けたい方向がある場合は、リードを強く引かず、飼い主が歩き出したい側へ立ち位置を変えます。

犬の体を押さえたり、後ろ足を手で止めたりすると、飼い主に足が当たる可能性があります。また、犬は何を止められたのか理解しにくく、排泄すること自体に落ち着かなくなることも考えられます。

排泄は急かさずに終わるまで待ち、終わった後の動きを切り替える方が、犬にも分かりやすい対応になります。

「行こう」など普段の合図で歩き出す

散歩中に使っている「行こう」「こっち」などの合図があれば、排泄直後にも同じ言葉を使えます。合図を出し、飼い主が進行方向へ歩き出し、犬がついてきたら声をかけたり小さな報酬を渡したりします。

おやつは必須ではありません。飼い主について歩くことがすでに身についている犬なら、声かけと移動だけで切り替えられることもあります。

反対に、地面蹴りが始まってから何度も名前を呼び続けると、合図が届きにくくなる場合があります。毎回同じ短い合図を使い、犬が歩き出したときに反応する方が、何を求められているかを伝えやすくなります。

大声や急なリード操作は避ける

地面蹴りは、飼い主を困らせるために行っているわけではありません。強く叱っても、犬にとっては何が問題だったのか分からず、散歩や排泄の場面で不安や興奮が高まる可能性があります。

急にリードを引くと、首や体へ力がかかるだけでなく、地面を蹴ろうとする動きと飼い主の引く力がぶつかります。危険が迫っている場合を除き、犬が動き出せる余裕を残しながら、進行方向を示す方法が向いています。

すぐに切り替えられない日があっても、行動のたびに対応を強くする必要はありません。人が近い場所では早めに歩き出す、安全な土の上では短く見守るなど、場所によって対応を分けることもできます。

気にしたいのは、蹴ることより足・歩き方・排泄の変化

排泄後に地面を蹴るだけで、病気やけがを疑う必要はありません。確認したいのは、行動の後に足や歩き方、排泄の様子へ普段との違いがないかです。

行動後の歩き方と足先を見る

地面を蹴った後に足を浮かせる、歩幅が左右で違う、急に立ち止まるといった変化があれば、足先を確認します。

爪の割れや出血、肉球の傷や腫れ、指の間に挟まった異物がないかを見ると、地面との接触で起きた変化を把握しやすくなります。帰宅後も同じ足を舐め続けている場合も、足先に違和感がないか確認する材料になります。

見た目に大きな傷がなくても、歩き方の変化が続く場合は、地面蹴りをさせないことだけで解決しようとせず、動物病院への相談を検討します。

排泄のしにくさが一緒にないかを見る

注意したいのは、地面蹴りそのものではなく、排泄時の変化が一緒に現れている場合です。

何度も排便姿勢を取るのに出ない、強くいきむ、少量の排泄を繰り返すといった様子があれば、地面蹴りとは分けて考える必要があります。排泄直後に興奮して蹴っているように見えても、その前の排泄が普段どおりだったかを振り返りましょう。

いつから変化したか、排泄できているか、歩き方や食欲に違いがあるかを整理すると、相談時にも状況を伝えやすくなります。

まとめ

犬が排泄後に地面を蹴る行動は、足についた便を落としたり、排泄物を隠したりする動作とは限りません。地面へ視覚的な跡をつけ、排泄物や足に由来するにおいを残す、情報伝達に関わる行動である可能性が考えられます。

ただし、「フェロモンで縄張りを主張している」とひとつの意味に決めることはできません。行動の意味を理解することと、散歩する場所での安全や配慮は、分けて考えられます。

やわらかく安全な地面で、周囲へ土が飛ぶ心配がなく、行動後も普段どおり歩いているなら、短く見守れることがあります。人や犬が近い場所、植栽や私有地、硬い路面や危険物のある場所では、普段の合図で歩き出す行動へ切り替えます。

見る基準は、蹴った回数ではありません。地面の状態、後ろにいる人や犬、行動後の足と歩き方、排泄の変化を合わせることで、その場に合った対応を選びやすくなります。

あわせて読みたい

ぺとふるアプリの利用イメージ
ぺとふるロゴ

家族や恋人とペットの思い出を簡単に共有・管理できるペットアルバムアプリ

AppStorePlayStore