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金魚に歯はある?餌を食べる口と喉のしくみ
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金魚に歯はある?餌を食べる口と喉のしくみ

金魚が餌を食べるところを見ていると、口をぱくっと開けて、餌をそのまま吸い込んでいるように見えます。口元には、人や犬猫のような歯も見当たりません。では、金魚には歯がないのでしょうか。

金魚にも歯はあります。ただし、口の入口に並んでいるのではなく、口より後ろの咽頭、いわゆる喉の奥にある「咽頭歯」です。

餌を食べるときには、この咽頭歯だけが働くわけではありません。口で餌を取り込み、その後に口から喉にかけて選別し、さらに奥で餌を処理してから飲み込みます。普段は一瞬に見える動きの中に、いくつかの役割が分かれています。

金魚にも歯はある。ただし、口の入口には並んでいない

金魚には、人の前歯や奥歯のように顎や口の入口へ並ぶ歯はありません。一方、口より後ろにある咽頭には「咽頭歯(いんとうし)」と呼ばれる歯があります。咽頭歯は左右の第5下鰓骨という骨に形成され、それぞれ1列に4本ずつ並んでいます。

そのため、「金魚には歯がない」という説明は、そのままでは正確ではありません。「口の顎には歯がないけれど、喉の奥には咽頭歯がある」と考えると、位置関係がわかりやすくなります。

「口の奥に歯がある」と説明されることもありますが、人の奥歯のようなものを想像すると少し違います。咽頭歯は、口の入口に続く歯列ではなく、そのさらに後ろにある咽頭側の構造です。

金魚はまず、水とともに餌を口へ取り込む

金魚が餌を食べる最初の段階では、口の歯で餌を噛み取るわけではありません。口を開いて水流をつくり、水とともに餌を口の中へ取り込みます。摂食時に生じる吸い込みの水流は金魚を使った実験で直接測定されており、顎を前へ突き出す動きもこの吸い込みに関わります。

水槽で見ると、餌だけをつまむように口へ入れているように感じることがありますが、実際には水の動きも一緒に使われています。金魚の口は、まず餌を取り込むための入口として働いていると捉えると、その後のしくみともつながります。

口に入れたあとにも、餌を選び分ける段階がある

金魚は、口に入ったものをすべてそのまま飲み込むわけではありません。口から咽頭にかけて、食べるものとそうでないものを選び分けるしくみがあります。

この選別に関わっているのが「口蓋器官」と呼ばれる構造です。金魚はこの口蓋器官によって、食物と砂や小石などの基質を区別し、食べるものを選びます。

つまり、「口に入れること」と「飲み込むこと」は同じ段階ではありません。いったん取り込んだあと、そのまま奥へ送られるものもあれば、選別の過程を経るものがあります。

金魚が餌を口に入れたあと、再び外へ出すように見えることもあります。ただし、その一回一回について、「咽頭歯で噛んでいたから」「必ず選別していたから」と外から理由を特定することはできません。取り込みと飲み込みの間にも、処理の段階があると捉えるのが適切です。

喉の奥では、咽頭歯と咀嚼板が餌を処理する

選別された餌の処理に関わるのが、喉の奥にある咽頭歯です。ただし、金魚は人のように上の歯と下の歯を噛み合わせているわけではありません。咽頭歯の向かい側には、「咀嚼板」と呼ばれる硬く角化した構造があります。

金魚の咀嚼板には、咽頭歯との接触によってできた凹みがあります。つまり、咽頭歯は別の歯と噛み合うのではなく、咀嚼板との間で餌を機械的に処理しています。

「金魚は喉で噛む」と表現すると、位置のイメージとしては大きく外れていません。ただし、人のように上下の歯を合わせて噛む姿とはしくみが異なります。

金魚の咽頭歯と咀嚼板が、餌を処理する構造であることはわかっています。一方、「必ずこの動きで砕く」「この順番ですりつぶす」といった細かな運動は、近縁のコイでより詳しく調べられている部分です。そのため、金魚については「咽頭歯と咀嚼板で餌を機械的に処理する」と捉えるのが適切です。

餌を食べる流れを、口から喉までつなげてみる

金魚が餌を食べるまでを口から喉への流れに沿って見ると、次のように考えられます。

  1. 口を開き、水流とともに餌を取り込む
  2. 口から咽頭にかけて、取り込んだものを選別する
  3. 食べるものとして受け入れた餌を、咽頭の奥へ送る
  4. 咽頭歯と咀嚼板で餌を機械的に処理し、飲み込む

水槽の外から見えるのは、主に最初の「口へ取り込む」部分です。そのあとにも、選別や咽頭での処理が続いています。

食道へ送り込む細かな運動は、金魚そのものよりも近縁のコイで詳しく調べられています。そのため、金魚について細部まで同じ動きだと決めつけることはできません。一方、金魚でも、取り込み、選別、咽頭での処理がそれぞれ異なる段階として働くことがわかっています。

まとめ

金魚にも歯はあります。ただし、口を開けたときに並んで見える歯ではなく、喉の奥にある咽頭歯です。

餌を食べるときには、まず水流を使って口へ取り込み、口から咽頭にかけて選別し、その後に咽頭歯と硬い咀嚼板で餌を処理して飲み込みます。

水槽越しには「口でぱくっと食べた」ように見える一瞬も、体の中ではいくつかの役割に分かれています。口だけを見るのではなく、その奥に続く選別や咽頭での処理までをひと続きで考えると、金魚の食べ方が少し違って見えてきます。

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