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飼い主が急に入院したらペットはどうする?|連絡先・合鍵・世話の備え
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飼い主が急に入院したらペットはどうする?|連絡先・合鍵・世話の備え

もし今日、自分が救急搬送され、そのまま数日間家へ戻れなくなったら。家にペットがいることを、誰が知っているでしょうか。そして、その人は家へ入り、いつもの食事や薬、必要な世話まで続けられるでしょうか。

急な入院への備えというと、「預け先を決めておくこと」を思い浮かべやすいかもしれません。けれど実際には、その前にいくつもの段階があります。ペットの存在を誰かに知らせ、家へ入れるようにし、世話の方法を伝えること。必要に応じて動物病院や外部サービスにつなぎ、不在が長引けば預け先を確保することも必要です。

神奈川県や相模原市などの自治体でも、突然の入院に備えて、平時から一時的な世話や預け先を考えておくよう案内しています。

備えを一度に完璧にしようとするより、「どこまでつながっていて、どこで途切れそうか」を順番に確認すると、整理しやすくなります。

急な入院の備えは「預け先」だけでは足りない

急に帰宅できなくなったときの流れを分けると、次のようになります。

  1. 家にペットがいることを誰かが知る
  2. その人、または別の人が家へ入る
  3. 食事や投薬などの世話ができる
  4. 必要なら動物病院や外部サービスへつなぐ
  5. 不在が長引いたら、次の世話の方法へ切り替える

たとえば、ペットホテルを調べていても、最初の段階で誰にもペットの存在が伝わらなければ動き出せません。家族に連絡がついても、合鍵がなければ家へ入れず、家へ入れても薬の量や保管場所が分からなければ困ることがあります。

ひとつの方法だけを用意するより、この流れのどこにも大きな空白がないかを見る方が、急な不在への備えとしては考えやすくなります。

まず「ペットがいる」と知らせる相手を決めておく

本人が話せない状態になったときに備えて、「自宅にペットがいる」と分かる情報を残す方法があります。

相模原市や武蔵村山市、大阪市などでは、緊急時にペットの存在や連絡先を周囲へ知らせるためのカードを案内しています。財布やスマートフォンケースなどに入れて持ち歩き、自宅では冷蔵庫や玄関ドアの内側など、見つけてもらいやすい場所に情報を置く方法も紹介されています。

ただし、こうしたカードが、救急隊や医療機関に必ず発見され、その後のペットの世話まで手配されることを保証するわけではありません。「知らせる可能性をつくる手段」と考えておく方がよいでしょう。

緊急連絡先には、事前に役割を伝えておく

カードに家族や友人の名前を書くなら、事情を伝え、連絡先として記載してよいか確認しておきます。大阪市も、緊急連絡先の本人に事情を説明し、許可を得てから記載するよう案内しています。

ここで考えておきたいのは、「最初に連絡を受ける人」と「実際に世話をする人」は、必ずしも同じでなくてよいことです。

遠方に住む家族が最初の連絡窓口になり、近くに住む知人が家へ入り、長引いたらペットシッターへ切り替える、といった分担も考えられます。

「誰に電話が行くか」だけでなく、その後に誰が何をするかまで決めておくと、次の行動へつながりやすくなります。

紙・スマホ・家族への共有は一つに絞らなくてよい

緊急情報は、ひとつの場所だけに置く必要はありません。

財布に入れる短いカード、自宅に置く詳しい情報、家族や知人への事前共有など、それぞれ役割が違います。

スマートフォンにも緊急連絡先を設定できる機能がありますが、端末や設定に左右されます。紙なら電源は要りませんが、持ち歩いていなければ見つかりません。

「紙かデジタルか」を決めるより、本人が話せないときにも情報が届く経路を複数持てるか、という視点で考える方が実用的です。

誰かが家に入れる方法まで決めておく

連絡がついても、家へ入れなければ世話は始まりません。

考えられる方法には、信頼できる家族や知人へ合鍵を預ける、キーボックスを使う、スマートロックなどで入室できるようにする、といったものがあります。

どの方法にも向き不向きがあります。合鍵は機器や通信に左右されませんが、預ける相手との信頼関係が必要です。キーボックスやスマートロックなら鍵の受け渡しを減らせますが、設置場所や建物のルール、緊急時の解錠方法まで確認する必要があります。

賃貸や集合住宅では「管理会社に頼めば入れる」とは限らない

賃貸住宅では、管理会社や大家が鍵を持っていることもあります。ただし、「飼い主が入院し、ペットの世話が必要」という事情だけで、第三者が必ず入室できる全国共通の仕組みがあるわけではありません。

国土交通省の賃貸住宅標準契約書は、実際の契約での使用が義務づけられていない契約のひな形です。標準的な条項には緊急時の貸主による立入りに関する規定がありますが、ペットの給餌のために第三者へ開錠することまでは一律に保証していません。

賃貸やオートロック付きの住宅では、自分の契約や管理規約で合鍵の扱い、キーボックスの設置、緊急時の対応がどうなっているかを確認しておくと、いざというときに「家まで来ても入れない」という事態を減らしやすくなります。

世話の情報は「そのまま実行できる形」で残す

家へ入れたあとに必要なのは、「その子のことを知っている」こと以上に、実際に世話できる情報です。

相模原市では、ペットの基本情報、ワクチン歴、病歴、食事、生活習慣などを記録しておくことを案内しています。実際のペットシッターでも、初回の打ち合わせで食事、散歩、健康状態、性格、緊急時の病院対応などを確認する例があります。

情報は、次のように第三者が行動できる細かさで残しておくと、整理しやすくなります。

最低限残しておきたい情報

  • ペットの名前、種類、頭数
  • フードの種類、1回量、回数、保管場所
  • 水の与え方
  • トイレやケージなど、最低限の清掃方法
  • 脱走や咬傷など、接するときの注意
  • 持病
  • かかりつけ動物病院と連絡先
  • 合鍵など、家へ入る方法
  • 第一連絡先と第二連絡先

「いつものごはんをあげて」だけでは、初めて世話をする人には分からないことがあります。フード名、量、回数、置き場所まで書いてあれば、その場で確認し直す必要を減らせます。

投薬や飼育設備は手順まで書く

毎日薬を飲んでいる場合は、「薬あり」と書くだけでは足りません。

薬の名前、1回量、時間、与え方、保管場所まで書き、うまく与えられなかったときの連絡先も決めておくと、世話をする人が判断しやすくなります。

設備の情報も同じです。エアコン、ヒーター、照明、タイマー、水槽のフィルターなど、止めてはいけない機器があるなら、そのことを分かるようにしておきます。

特に鳥や爬虫類では温度や照明、小動物では専用フードやケージ管理、魚ではフィルターやヒーター、照明など、犬猫とは違う情報が必要になります。

詳しい飼育書を作る必要はありません。「普段どうしているか」と「変えてはいけないところ」が第三者に伝わる形になっているかを確認しましょう。

当日をしのぐ方法と、長引いたときの方法は分けて考える

急な入院では、最初から退院日が分かるとは限りません。

そのため、「今日から数日をどうするか」と「さらに長引いたらどうするか」は分けて考えた方が整理しやすくなります。

当日から数日であれば、家族や知人が自宅へ通って世話する方法が候補になります。あらかじめ利用手続きを済ませているなら、ペットシッターへ依頼する方法もあります。

不在が続く場合は、その人が毎日通い続けられるか、フードや薬の補充はどうするか、別の担当者へ交代するか、ホテルなどへ移すかを考える必要が出てきます。

ホテルやシッターは「使えるか」まで確認する

ペットホテルやシッターは、「必要になった日に探せば使える」とは限りません。

神奈川県も、ホテルやシッターを候補に挙げ、条件や料金を事前に確認するよう案内しています。

実際のサービスでは、初回の自宅打ち合わせや合鍵の受け渡しが必要なシッターがあります。ペットホテルでも、予約、ワクチン証明、年齢、健康状態、投薬、宿泊期間などに条件を設けている例があります。

持病や投薬があるペットに対応しない施設もあれば、動物病院併設などで対応する施設もあります。犬猫以外を受け入れていない施設もあります。

候補を検索しておくだけでなく、

  • 自分のペットの種類に対応しているか
  • 持病や投薬があっても利用できるか
  • 初回手続きが必要か
  • 合鍵はいつ渡すのか
  • 必要な証明書はあるか
  • 長期間の利用に対応できるか

まで確認しておくと、「名前は知っていたが使えなかった」というズレを減らせます。

行政や動物病院は「最後に頼ればよい場所」と決めつけない

自治体による一時預かりを考えるときは、全国共通の制度をあてにせず、地域ごとの対応を確認する必要があります。

神奈川県動物愛護センターは、急な入院に備えて自分で一時預かり先を確保するよう案内し、センターや県の保健福祉事務所では一時預かりを行っていないとしています。

一方で、地域独自の支援もあります。豊中市では、飼い主の入院や療養時に犬猫の世話を支える一時預かりの取り組みが始まっています。

「自治体は預かってくれない」と一律に考えるのでも、「自治体なら何とかしてくれる」と考えるのでもなく、自分が住む地域の相談先や支援を平時に確認しておく方が確実です。

動物病院についても、第三者がペットを連れて行った場合の受診、検査や治療への同意、費用の支払いなどに、全国共通の公開ルールをあてにすることはできません。

持病や定期的な投薬がある場合は、かかりつけの動物病院に、飼い主本人が連絡できない状態で家族や知人が連れてきた場合にどう扱うのかを聞いておくと、緊急時の役割分担を決めやすくなります。

まとめ

急な入院への備えは、ひとつのカードやひとつのサービスを用意して終わるものではありません。

確認したいのは、次の5つがつながっているかどうかです。

  • ペットが家にいることを、誰かが知れるか
  • その人、または別の人が家へ入れるか
  • 食事や投薬などの世話方法が分かるか
  • 必要なら動物病院や外部サービスにつなげられるか
  • 不在が長引いたときの次の方法があるか

すべてを一度に整える必要はありません。まずは「誰に知らせるか」「その人は家へ入れるか」を確認し、次に世話の情報と預け先候補をつないでいく。

自分の暮らしの中で、どこまで準備できていて、どこがまだ途切れているのか。それが見えれば、急な不在への備えを具体的に考えやすくなります。

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