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ペットが浴槽や水を張った容器に落ちる事故を防ぐ|ふた・水抜き・入室管理
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ペットが浴槽や水を張った容器に落ちる事故を防ぐ|ふた・水抜き・入室管理

浴槽の残り湯や掃除中のバケツは、普段の暮らしの中では特別なものではありません。トイレの便器や水槽のように、いつも水がある場所もあります。

ペットと暮らしていると、「犬や猫なら泳げるから、もし落ちても出られるのでは」「浴槽にはふたをしているから大丈夫」と考えることもあるでしょう。一方で、どこまで対策すれば十分なのかは、はっきりした線を引きにくいところです。

家庭内の水場を見るときは、特定の容器だけを危険と決めるよりも、「ペットが水へ到達できるか」「落ちたあとに自力で出られるか」「人が見ていない時間にはどうなっているか」という順番で考えると整理しやすくなります。

「泳げるから大丈夫」ではなく、落ちたあとに出られるかを見る

水の中で手足を動かせることと、水場から安全に脱出できることは同じではありません。

動物の溺水では、水中での閉じ込めや脱出不能、運動失調やてんかんなどの神経学的な異常が、事故の背景になることがあります。犬と猫の淡水への水没症例のうち、原因がわかったものには、水へ転落したケースも含まれていました。

そのため、「この動物は泳げるか」だけで水場の安全性を判断するのは難しくなります。見るべきなのは、水へ落ちたあとも鼻や口を水面より上に保てるか、足場を取れるか、出口へ移動して自力で上がれるかという部分です。

水深だけで安全かどうかは決められない

「浅ければ大丈夫」と、ペット全般に一律の基準を当てはめることはできません。溺水は、気道が液体に浸かって呼吸が妨げられることで起こり、水深だけでなく、体格や姿勢、意識や運動機能、水場の構造によって条件が変わります。

「水深何センチまでなら安全」という数字を探すより、自宅のペットがその水面へ届くか、落ちたときに姿勢を立て直せるか、外へ出られる構造かを見る方が現実的です。

浴槽だけでなく、「到達できる水面」を家の中で見直す

家庭内で確認したい水場は、浴槽だけではありません。猫がいる家庭では便器のふたを閉じ、水を張った浴槽の近くで無監督にしないよう注意が必要です。鳥の場合は、開いた便器、満水の浴槽や洗面台、魚鉢などの開放された水容器も家庭内の危険になります。

すべての動物が同じ場所へ同じように近づくわけではありません。だからこそ、「浴槽は危険、バケツは安全」と容器の名前で分けるのではなく、その家で暮らすペットが実際に届く水面を探します。たとえば、浴室へ自由に入れるなら浴槽を確認し、トイレへ入れるなら便器を見る。放鳥する鳥がいるなら、洗面台や水槽なども確認対象になります。

水槽も、すべてのペットに同じ危険度を当てはめることはできません。ただ、開放された水面へ到達できる環境なら、ふたの有無や置き場所を含めて見直す余地があります。

水をなくせるならなくす。残すなら、水場への経路を止める

使い終わったあとに必要のない水なら、排水することで水没につながる場所そのものをなくせます。

これは、排水の有無によるペットの事故率の差に基づいた対策ではありません。一方、人の家庭内溺水を防ぐための環境対策として、消費者庁は、入浴後に浴槽の水を抜くことや、使用後の洗面器・バケツに水を残さないことを案内しています。対象は乳幼児で、ペットの事故データではありませんが、「使い終えた水そのものをなくす」という考え方は、家庭内の水場を見直すときの参考になります。

防災などで水を残すなら、浴室へのアクセスを止める

一方で、浴槽の水を残したい家庭もあります。自治体によっては、災害時の生活用水として浴槽の残り湯を確保するよう案内しているため、ペットがいる家庭でも残り湯をすべて捨てると一律に決める必要はありません。

水を残す理由があるなら、「水をなくせない代わりに、水場へ近づけなくする」と考えます。浴室の扉を閉める、ペットが扉を開けられない状態にするなど、浴槽へ到達する前の経路を遮断する方法です。このときも、ひとつの対策だけで十分と決めず、人が見ていない時間にその状態が保たれるかを確認します。

ふただけに頼らず、扉や入室管理も組み合わせる

ふたは、水面へ直接触れる経路を減らすために使える場合があります。猫がトイレへ入れる家庭なら、具体的な安全対策として、使ったあとに便器のふたを閉じるというルールに落とし込みやすいでしょう。

浴槽ふたは「あるだけ」で安全と決めない

浴槽のふたは、ペット向けに共通して使える「何キログラムまでなら安全」という基準で判断できません。人向けの注意喚起ではありますが、消費者庁は浴槽ふたの上でベビーバスを使った事故に関連して、ふたがずれたり、たわんだりする可能性を示しています。ペットが浴槽ふたへ乗った場合の安全性を直接調べたものではないものの、「ふたが置いてある」という事実だけを安全の保証にはしない方がよいでしょう。

水を残した浴槽では、ふたの状態を確認したうえで浴室の扉も閉めるなど、別の経路でも水場へのアクセスを止めておくと、ひとつの対策だけに頼らずに済みます。

入室を区切るためにペット用ゲートなどを使う選択肢もありますが、飛び越える、よじ登る、すり抜けるといった動きはペットによって異なります。設置する場合は、そこにあること自体ではなく、自宅のペットに対して実際に障壁として機能するかを確認します。

水槽も、水面だけでなく到達経路を見る

水槽や魚鉢では、「ふたがあるか」に加えて、そもそもペットがその場所へ近づけるかを見ると整理しやすくなります。鳥の場合、魚鉢を含む開放された水容器は溺水につながることがあります。一方、猫や小動物については、水槽の大きさや高さ別の危険度を一律に比較できないため、環境ごとの確認が必要です。

水槽の縁や周囲の家具などから到達できる環境なら、ふたを使う、配置を変える、部屋を分けるといった方法のうち、その家庭で続けられるものを考えます。

水を使っている間は見守り、離れるときは仕組みで防ぐ

入浴中や掃除、水換えの途中など、水をなくせない時間には見守りが対策になります。猫がいる家庭でも、浴槽に水があるときは、水の近くで無監督にしないよう注意が必要です。

ここでいう見守りは、単に同じ家の中に人がいることとは少し違います。ペットがどこにいるかを把握でき、水場へ近づいたときに対応できる状態を指します。

作業の途中でその場を離れるなら、見守りを続けることはできません。そのときは、ペットを水場から離す、浴室やトイレの扉を閉めるなど、環境側の対策へ切り替えます。

留守中や就寝中も同じです。「誰かが気をつける」という方法は使えないため、水を抜くか、水場へ到達できない状態にしておく方が家庭ルールとして安定します。

もし水へ落ちたら、救出して終わりとは限らない

ペットが水へ落ちて水没した場合は、まず水から救出します。その後、呼吸が速い、苦しそうにしている、咳が出る、明らかに元気がない、意識や反応がおかしいといった変化がある場合は、速やかに動物病院へ連絡してください。犬や猫では、水没後の主な問題として呼吸機能の障害があり、肺の状態に変化が起こることもあります。

一方で、「無症状なら必ず受診しなくてよい」「何分以内なら問題ない」といった基準を、すべてのペットに当てはめることはできません。鼻や口まで水に沈んだ、水を吸い込んだ可能性がある、状態を判断しにくいといった場合は、見た目が落ち着いていても獣医師へ連絡し、対応を確認するとよいでしょう。

家の中の水場は、「到達できるか」から見直す

家庭内の水事故を防ぐために、すべての水を一律になくす必要があるわけではありません。

使い終えて必要のない水なら排水する。防災や再利用などで残すなら、ふたや扉を使って水場へ近づけないようにする。水を使っている間はペットの位置を把握し、その場を離れるときは見守りから環境側の対策へ切り替える。

家の中を見直すときは、「泳げるか」よりも、「水へ到達できるか」「落ちたあとに出られるか」「誰も見ていない時間にどうなっているか」を順番に確認してみてください。浴槽、バケツ、トイレ、水槽と場所ごとに別々のルールを覚えるより、この3つの視点を使う方が、自宅の間取りやペットの動きに合わせて考えやすくなります。

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