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リクガメは飼いやすい?寿命・成長後の大きさ・年間の温度管理を確認
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リクガメは飼いやすい?寿命・成長後の大きさ・年間の温度管理を確認

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鳴き声がなく、犬のような毎日の散歩もない。ペットショップで見かける幼体は小さく、「リクガメなら今の暮らしにも迎えやすそう」と感じることがあるかもしれません。

ただ、リクガメの飼いやすさは、静かさや日々の世話だけでは決まりません。種類によって成長後の体格は大きく違い、必要になる飼育空間も変わります。さらに、室内では温度や紫外線(UVB)の環境を季節を通して維持することになります。

寿命も一律に「何年」と言えるほど明確ではありませんが、複数の種類では数十年単位の飼養になる可能性があります。迎える前には、いま置けるケージだけでなく、「この種類が成長したあとも、自分の暮らしの中で環境を維持できるか」まで時間軸を広げて考える必要があります。

リクガメの「飼いやすさ」は一つの基準では決められない

リクガメには、暮らしに取り入れやすく感じられる特徴があります。鳴き声の問題がなく、犬のような散歩もありません。一方で、それは飼育負担の一部分です。

成長後の大きさに合わせた床面積を確保し、暖かい場所と涼しい場所を作り、UVB環境を整えるといった管理が必要です。種類によっては冬の過ごし方も異なるため、「犬や猫より手がかからないか」という比較だけでは、自分に合うかを判断しにくくなります。

迎える候補が決まったら、まず種類を確認し、成体の大きさ、必要な空間、年間の環境管理、飼養期間を別々に見ていくと、暮らしとの相性を考えやすくなります。

まず確認したいのは、迎えたい種類がどこまで大きくなるか

「リクガメ」と呼ばれる動物の中でも、成体の大きさにはかなり幅があります。たとえば、ヘルマンリクガメの成体は約12〜23cmです。一方、ケヅメリクガメの雄は約76cm、90kgに達することがあります。この2種だけを比べても、同じ「リクガメ」という呼び方から想像する飼育規模は大きく変わります。

幼体の大きさだけでは将来の負担は分からない

特に大型種では、販売時の姿と成体の姿を分けて考える必要があります。ケヅメリクガメは、孵化したばかりの時期には約5cmとされる一方、成長すると数十cm、数十kg以上になることがあります。手のひらに乗るほどの幼体を見て「このくらいの大きさなら飼えそう」と考えると、成長後に必要な環境との間に大きな差が生まれます。

迎える前に確認したいのは、目の前にいる個体の現在の大きさではなく、その種類が成体になったときの甲長や体重です。ヒョウモンガメのように30〜70cmという幅がある種類もいます。小型のリクガメだけを想像して設備を決めず、種類ごとの成体サイズを出発点にすると、必要な住環境を見積もりやすくなります。

小型の種類でも、飼育空間は「床面積」から考える

成体サイズを確認したら、それを実際の飼育スペースに置き換えて考えます。リクガメの飼育では、高さだけでなく、歩いたり場所を選んだりできる床面積が必要です。小型種であっても、小さな爬虫類ケージを一生使えるとは限りません。

海外の動物福祉団体は、ヘルマンリクガメなど地中海系のリクガメ1頭について、屋内スペースの例を約180×120cmとしています。これは日本の法的な最低基準ではなく、あくまで一つの飼育推奨例ですが、必要な規模を想像する材料にはなります。

「今ケージを置けるか」ではなく成体の床面積を見る

大型種では、必要な空間はさらに広がります。同団体は、ケヅメリクガメの囲いの長辺を甲長のおよそ10倍、短辺を5倍とし、甲長75cmなら約7.5×4mの屋内スペースを例に挙げています。この規模になると、「どのケージを買うか」というより、住まいのどこを飼育空間として使えるかという問題に近づきます。

市販の飼育用品を見てから種類を決めるのではなく、先に成体サイズと必要な床面積を確認し、その空間を現在の家や将来の住まいでも確保できそうかを考えましょう。

飼育空間を検討するときは、幼体向けの商品サイズだけでなく、成長後に使う広さを基準に候補を見ておくと、設備を買い直す範囲も想像しやすくなります。

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温度とUVBは、冬だけではなく一年を通して管理する

リクガメの温度管理は、ケージ全体を一つの温度に保つという考え方ではありません。熱源を飼育空間の一端に設置し、暖かい場所と涼しい場所の間に温度勾配を作ります。リクガメ自身が場所を移動し、そのとき必要な温度を選べるようにするためです。

そのため、「部屋が暖かいから大丈夫」と室温だけを見ると、バスキングできる場所が足りないのか、逆に逃げられる涼しい場所がなくなっているのかまでは分かりません。

温度条件そのものも種類によって異なります。細かな設定値を一律に当てはめるのではなく、迎える種類に合った条件を確認しましょう。そのうえで、飼育空間の複数箇所を実際に測れる環境を作れるかどうかが、迎える前の判断材料になります。

必要なのは一つの適温ではなく、暖かい場所と涼しい場所

温度管理というと、日本では冬の加温を思い浮かべやすいかもしれません。しかし、一年を通して見ると、季節ごとに別の課題があります。冬は必要な温度を維持するための加温が必要になり、春や秋には昼夜の寒暖差があります。反対に夏は、飼育空間全体が高温になり、涼しい場所を選べなくなる状態を避けなければなりません。

ケヅメリクガメは暑い地域に暮らす種類ですが、野生では暑い時間帯に巣穴へ入り、より低い温度の場所へ退避します。「暖かい地域のリクガメだから、高温になるほどよい」というわけではありません。

温度計やサーモスタットは、単にヒーターを使うための用品ではなく、こうした温度勾配を確認し、維持するための道具です。

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窓越しの日光とUVBライトは同じではない

リクガメの飼育では、温度とあわせてUVB環境も考えます。UVBはビタミンD3の合成やカルシウムの調節に関わります。室内で飼育する場合には人工のUVB照明が使われますが、「明るい場所なら同じ」というものではありません。

UVBは、飼育設備に使われる素材によって減衰します。そのため、ガラスやアクリルなどを介した窓越しの日光を、屋外で直接受ける日光と同じように考えることはできません。

人工UVB照明も、強い光を飼育空間全体に当て続ければよいわけではありません。UVBや熱が届く場所と、そこから離れて日陰へ移れる場所の両方を作ります。

冬の過ごし方も種類によって変わる

冬については、「リクガメは冬眠する」と一括りにはできません。ヘルマンリクガメやギリシャリクガメ、ロシアリクガメは冬眠する種類ですが、ケヅメリクガメやヒョウモンガメは冬眠しません。

冬眠する種類であっても、単純に冬になったら加温を止めるという管理ではありません。冬眠前には健康状態を確認し、経験者や獣医師の助言を得ることが勧められています。

迎える前には「リクガメの冬はこうする」と覚えるのではなく、候補の種類がどのような年間管理を必要とするのかを確認しましょう。

数十年先まで飼い続けられるかを、迎える前に考える

リクガメの寿命について調べると、「50年」「80年」「100年」といった数字を見かけることがあります。ただし、種類ごとの平均寿命は十分に確立しておらず、動物園や福祉団体が示す推定値にも差があります。そのため、「この種類は平均○年生きる」と数字を一つに決めるのではなく、複数の種類で数十年単位の飼養になる可能性があることを、迎える前の判断材料にしましょう。

10年、20年という期間があれば、住まいや家族構成、仕事、年齢など、自分の生活も変わります。大型種なら、引っ越し先でも成体用の空間を再現できるかという問題も出てきます。

リクガメを迎える前には、長期的な飼育責任や、自分が飼えなくなった場合の引き継ぎ先まで考えておく必要があります。将来のことをすべて決めてからでなければ迎えられない、という意味ではありません。少なくとも、自分が高齢になったときや、病気・入院などで世話が難しくなったときに誰へ相談できそうか、家族と話しておくことは、長寿の動物を迎える判断材料になります。

通院先も同じです。すべての動物病院がリクガメを診療するとは限らないため、迎える前に、自宅から通える範囲で候補の種類を診てもらえる動物病院があるかを確認しておくと、長期の暮らしを具体的に考えられます。

種類と書類を確認してから迎える

リクガメでは、飼育環境だけでなく、種類によって取引時の制度の確認も必要です。野生動植物の国際取引を規制する仕組みが、ワシントン条約(CITES)です。リクガメ科は広く対象になっていますが、ワシントン条約に掲載されていること自体が「日本で個人飼育できない」という意味ではありません。

一方、種類によって国内での扱いも異なります。たとえばインドホシガメはワシントン条約附属書Iに掲載され、日本では「国際希少野生動植物種」として国内の譲渡にも登録制度が関係します。登録された個体の譲渡については、環境省の登録制度の案内で確認できます。

制度の細かな仕組みをすべて覚える必要はありません。迎えたい種類の正式な種名を確かめ、必要な書類がある場合は個体と対応しているかを購入前に確認しておくと安心です。

また、爬虫類を販売する第一種動物取扱業者には、販売前に現物を確認させ、特徴や適切な飼養方法などを対面で説明するルールがあります。詳しくは環境省の第一種動物取扱業者の規制で確認できます。

販売されていることと、自宅の住環境がその個体の成長後まで合っていることは別です。説明を受けるときも、現在のサイズだけではなく、成体サイズや必要な設備まで確認しておくと、迎える前の判断に役立ちます。

まとめ

リクガメは、鳴き声や散歩という面だけを見ると、暮らしに取り入れやすく感じられる動物です。ただし、それだけで終生飼養のしやすさまでは判断できません。

迎えたい種類が見つかったら、次の4つに分けて考えましょう。

  • 成体になると、どこまで大きくなるか
  • その体格に合う床面積を、成長後も確保できるか
  • 温度勾配とUVB環境を、一年を通して維持できるか
  • 数十年の飼養になった場合も、住まいや生活の変化に対応できそうか

小さな幼体を「今の家で飼えるか」だけではなく、成長した姿と、その先の暮らしまで一度イメージしてみる。そのうえで条件が自分の生活と合う種類なのかを考えると、「リクガメは飼いやすい?」という問いを、自分にとって判断しやすい形へ変えられます。

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