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モルモットにしっぽはある?外から見えない理由と骨格のしくみ
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モルモットにしっぽはある?外から見えない理由と骨格のしくみ

モルモットを後ろから見ても、犬や猫のようなしっぽは見当たりません。「モルモットにはしっぽがない」と説明されることもあります。では、骨格までしっぽがないのでしょうか。

実際には、モルモットの背骨のいちばんお尻側には、しっぽの骨にあたる「尾椎(びつい)」があります。見た目にはしっぽがなくても、体の中には尾に相当する骨格が残っているのです。

「しっぽがない」という外見と、「尾椎がある」という骨格は、どちらかが間違っているわけではありません。見る場所を分けると、モルモットの体のつくりが理解しやすくなります。

モルモットは見た目には「しっぽがない」

モルモットには、体の輪郭から外へ長く伸びたしっぽがありません。外見的な特徴として「尾がない」と表現されるため、普段の姿を説明するときに「モルモットにはしっぽがない」と言うこと自体は不自然ではありません。

ただし、ここでいう「しっぽがない」は、あくまで外から見える形についての話です。骨格まで調べると、少し違った姿が見えてきます。

ただし、骨格には「尾椎」がある

モルモットのX線画像では、背骨の末端に複数の尾椎が確認されています。尾椎は、その名のとおり尾を構成する椎骨です。つまり、外見上はしっぽがないように見えても、「しっぽにあたる骨まで存在しない」わけではありません。240匹のモルモットを調べた研究では、5〜7個の尾椎をもつ椎骨の構成がもっとも多く確認されました。

尾椎の数は一つに決まっているわけではない

モルモットの尾椎について、「7個ある」といった一つの数字だけで覚えるのは正確ではありません。240匹を対象にした研究では5〜7個を含む型が多く、過去の資料には4〜7個という記載もあります。モルモットの背骨の構成には幅があり、尾椎の数もすべての個体で同じとは限りません。

この記事で押さえておきたいのは個数そのものより、外から尾が見えなくても、背骨の末端には複数の尾椎が続いているという点です。

しっぽの骨は、体のどこにある?

尾椎の位置は、背骨を頭側から順番にたどるとイメージしやすくなります。モルモットの背骨は、首の頸椎、胸の胸椎、腰の腰椎へと続き、その先に仙椎からなる仙骨があります。仙骨は骨盤の腸骨とつながる部分です。

尾椎は、この仙骨で終わるのではなく、そのさらにお尻側へ続いています。コンピューター断層撮影を使った解剖研究でも、仙骨の尾側に第1尾椎が位置する様子が確認されています。

そのため、「尾椎が骨盤の中にある」と考えるよりも、骨盤とつながる仙骨の先から、背骨の末端として尾椎が続いていると捉える方が位置関係をつかみやすくなります。

尾椎があるのに、なぜ外から見えない?

尾椎があるなら、「短いしっぽが毛の中に隠れているのでは」と考えたくなるかもしれません。モルモットには尾椎がある一方、尾にあたる部分は犬や猫のように体の外へ長く伸びたしっぽを形成していません。

つまり、モルモットのしっぽは「長いしっぽがどこかに隠れている」と考えるより、骨格には尾にあたる部分があるものの、外から独立した長いしっぽとして見える形にはなっていないと考えると、外見と骨格がつながります。

「毛に隠れている」と考えるのは少し違う

モルモットのしっぽが見えない理由として、「毛に埋もれている」「丸いお尻に隠れている」と説明されることがあります。

ただ、被毛やお尻の形がしっぽを見えなくしている直接の原因だとは言い切れません。同じように、「皮膚や筋肉の中に完全に埋まっている」とまで言い切れる材料も十分ではありません。

外から見えない理由を説明するときは、何かがしっぽを覆い隠していると考えるより、「体の外へ長く伸びたしっぽを形成していない」という確認できる範囲に留める方が、モルモットの体のつくりを正確に捉えられます。

専門資料では「痕跡的な尾」と表現されることもある

実験動物医学では、モルモットを含む Cavia 属の尾を「痕跡的」と表現することもあります。これは、外見上「尾がない」と表現されることと矛盾しません。外から見れば長いしっぽはなく、骨格を見れば尾椎は残っています。どちらを見て説明しているかによって、「尾がない」「痕跡的な尾がある」という表現の違いが生まれます。

ただし、「痕跡的」という言葉から、「役割のない不要な骨」とまで考える必要はありません。また、モルモットの尾がなぜこの形になったのかについて、特定の進化的な理由を決めることもできません。

まとめ

モルモットは、普段の姿を見るかぎりでは「しっぽがない」動物です。しかし、背骨までたどると、骨盤とつながる仙骨のさらにお尻側に、尾にあたる複数の尾椎が続いています。

そのため、「モルモットにはしっぽがない」と「モルモットには尾椎がある」は、相反する説明ではありません。外から見える長いしっぽはないけれど、骨格には尾の領域があります。見た目と体の中を分けて考えると、モルモットのしっぽの少し不思議なしくみを整理しやすくなります。

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