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神戸市の猫条例とは?行政と協議会が担う繁殖制限の仕組み
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神戸市の猫条例とは?行政と協議会が担う繁殖制限の仕組み

地域で暮らす猫を見守るには、毎日の餌や水だけでなく、不妊去勢の費用、病院への移動、ふん尿の片付け、近隣への説明も必要です。その仕事を誰が担い、どう続けていくかは、猫を世話する人と地域の双方に関わります。

神戸市は、2017年に施行した「神戸市人と猫との共生に関する条例」で、市や飼い主の責務に加え、獣医師や地域の活動団体が協力する仕組みを定めました。活動を担う人と、それを支える制度をどう結びつけるか。 神戸市の取り組みから、猫の命と住民の暮らしを守るための役割分担を見ていきます。

地域の担い手がいない場所にも、対策を届ける

条例が施行されたのは、2017年4月1日です。野良猫の繁殖を抑えることや猫の譲渡を進めることを通じて、市民の生活環境を守り、猫の殺処分をなくし、人と猫が共生する社会を目指しています。

制定の背景には、地域猫活動だけでは対策が届きにくい場所があるという課題がありました。条例の前文は、活動する団体が存在しない地域では取り組みが進まないことを挙げ、獣医師などの助言を受けながら、猫の生態や行動範囲を考えて計画的に繁殖制限を進める必要性を説明しています。

世話をする人がいる地域の活動を支えるとともに、担い手がいない地域にも対応する。そのために、行政、獣医師、地域団体が協力する体制を条例に位置づけたのです。

市と協議会が、それぞれの役割を担う

取り組みを進める中心となるのが、「神戸市人と猫との共生推進協議会」です。条例に基づき、2017年4月に神戸市獣医師会や地域の活動団体などが設立し、市と連携して事業を行っています。

条例は、猫に関わる立場ごとに責務や役割を定めています。大きな分担は次のとおりです。

担い手主な役割
神戸市地域猫活動や繁殖制限事業を支援し、譲渡の推進や適正な飼い方の普及に取り組む
協議会市と連携して野良猫の繁殖制限、給餌・ふん尿処理への助言、譲渡の推進を行う
獣医師の団体・地域の活動団体専門的な支援や活動を担い、市の施策に協力するよう努める
猫の飼い主生涯にわたる適切な飼育や飼い主の明示、周囲に迷惑を及ぼさない飼い方に努める
市民・事業者活動への協力と、周辺の生活環境に配慮した猫の扱いに努める

役割を決めた後の報告も、条例に組み込まれています。協議会は事業の実施状況を公表して市へ報告し、市長は毎年度、その状況を議会へ報告します。市には、必要な支援・助言を行うことに加え、財政上の措置を講じるよう努める規定もあります。

こうした仕組みは、地域で行われている活動を行政の支援と結びつけ、実施状況を社会に伝えるための土台になります。

不妊去勢の費用と、捕獲・搬入の作業を分担する

協議会は、野良猫の多い地域について情報を集め、その情報に基づいて優先順位をつけ、不妊去勢手術を進めています。条例がいう野良猫の繁殖制限は、生活環境などに問題が生じている一定の区域で、猫に手術を施して元の区域へ戻す取り組みです。

地域で活動している人への支援もあります。地域猫活動団体などが協議会の計画に沿って猫の捕獲や病院への搬入を行う場合、協議会が不妊去勢手術の費用を負担します。 地域の人が担う作業と、手術に必要な費用を分担する形です。

この支援を利用するときは、協議会と活動内容を相談し、対象や進め方を確かめることが大切です。費用負担には協議会の計画に沿って行うという条件があるため、捕獲や受診の予定も含めて調整します。市の条例案内には、野良猫の多い地域についての情報提供票と、地域猫活動等への支援申込書が用意されています。

手術の後も、地域で暮らせる条件を整える

不妊去勢手術を終えた猫にも、毎日の世話が必要です。神戸市の条例は、地域猫活動を、地域住民の理解のもとで手術を行い、有志が餌や水、排せつ物の処理などを管理する活動と定めています。繁殖を抑える取り組みと、日々の管理を続ける活動をつなぐことが重要になります。

市のガイドラインは、自分が所有・管理する場所で餌を与えることを勧め、それ以外では所有者や管理者の了承を得るよう求めています。食べ終わった餌の片付け、ふん尿の清掃、猫が苦手な人やアレルギーのある人への配慮も必要です。譲渡が可能な猫については、新しい飼い主を探すことも大切にしています。

地域猫活動の基本的な考え方や、不妊去勢と日々の管理の関係は、次の記事でも紹介しています。

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神戸市には、責任を持って活動する団体の登録制度もあります。登録には、次の条件が設けられています。

  • 活動する区域が明確で、管理する猫を把握していること
  • 2名以上で団体を構成していること
  • 活動地域の自治会など、または管理者の同意を得ていること

登録の手続きは毎年必要です。地域猫活動の進め方や団体登録は、市の衛生監視事務所へ相談できます。活動を始めたい人も、地域で猫の世話や周囲への説明に困っている人も、神戸市の地域猫活動の案内から相談先を確認できます。

猫を守る活動を、地域で続けられる仕組みへ

神戸市の猫の共生条例から見えてくるのは、地域の活動を支える役割の分担です。市が施策と支援を担い、協議会が繁殖制限などの事業を進め、地域の人たちが日々の管理や周囲との調整に関わります。

猫のためにできることを考えるときは、手術や世話そのものに加えて、費用をどう支えるか、地域の理解をどう得るか、活動をどう続けるかにも目を向けたいところです。猫を守る人の活動を支え、住民の暮らしにも配慮することが、共生を続けるための条件になります。

この記事で参考にした資料(4件)

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