マイクロチップを入れているから、もう安心。そう思っている方は少なくありません。
けれど、制度の仕組みをたどるとわかるのは、「装着」と「登録」は別の手続きだということです。登録内容が正しく更新されてはじめて、迷子になったときに飼い主へ連絡が届きます。
この記事では、購入・譲渡・引越しといった節目ごとに、何をいつ行えばよいのかを整理します。制度の背景を押さえつつ、「自分は今どの状態か」を確認できる実務ガイドです。
日本では、2022年6月から犬・猫のマイクロチップ情報登録制度が始まりました。制度の概要は環境省がまとめています。
ここでまず押さえたいのは、次の2点です。
販売業者には一定期間内に装着する義務があります。一方で、購入後に自分の名義へ変更することや、住所変更を届け出ることは、飼い主側の手続きです。
また、迷子時に情報を照会できるのは自治体や警察などの公的機関に限られています。読み取った番号をもとに登録データベースへ照会し、そこに登録された連絡先へ連絡が入る仕組みです。登録情報が古いままだと、番号は読めても連絡が届かない可能性があります。
犬や猫を迎えたとき、多くの場合すでにマイクロチップは装着されています。その時点で登録されているのは、販売業者や前の所有者の情報です。
この場合に必要なのが「変更登録」です。これは所有者そのものを変更する手続きです。
整理すると、次のようになります。
購入や譲渡の際には「登録証明書」が渡されます。この証明書には、マイクロチップの番号や申請に必要な情報が記載されています。譲渡は、この証明書とともに行うことが法律上求められています。
実際の手続きは、飼い主向けの一覧ページから進めることができます。
このページには、所有者変更登録や住所変更など、飼い主が行う各種手続きへの入口がまとめられています。
ありがちな誤解は、「お店が登録してくれているから大丈夫」というものです。実際には、購入者の情報へ変更する手続きは、購入者自身が行う必要があります。
所有者は変わらないけれど、住所や電話番号が変わった場合はどうでしょうか。
この場合は「変更届出」です。これは所有者変更とは別の手続きで、登録事項の更新にあたります。
ここで混同しやすいのが、「変更登録」と「変更届出」の違いです。
この区別ができていると、手続きの迷いは大きく減ります。
また、犬の場合は狂犬病予防法に基づく市区町村での登録も関係します。マイクロチップの登録とは別に、市区町村での手続きが必要な地域もあるため、引越し時は自治体の案内も確認しておくと安心です。
マイクロチップが「機能する」とは、次の流れが成立することを指します。
環境省が公表している返還フロー図でも、この仕組みが示されています。
ここで重要なのは、「飼い主が自分で検索する仕組みではない」という点です。読み取りと照会は、自治体や動物病院などが行います。
つまり、
といった状態では、番号は読めても、実際の飼い主にすぐ連絡が届かない可能性があります。
最後に、節目ごとに一度立ち止まって確認しておきたいポイントをまとめます。
マイクロチップは小さな装置ですが、その力を支えているのは「登録情報」です。
装着していることだけで安心するのではなく、「今の情報は最新か」をときどき確認しておくこと。それが、もしものときに確実につながるための備えになります。